今回のブログ担当者は…?

武蔵小山店からワイン館に異動になりました遠藤です止めたらいいのに相変わらず命削ってワインを飲んでいます。今年こそ健康診断に引っかかる！今回はそんな日常の一コマから…

プレゼントにオススメなワイン

ワインの仕事をしていれば贈り物でしばしばお客様より訊かれるのは、「ワインを差し上げたいけれど、何を差し上げればいいか分からない」というものが一番多いような気がします。飲む人の相手が分からないというのはややもどかしい気持ちもありますが、最大限送った方も、貰った方も喜んでいただけるように考えて選定しています。

リーズナブルな価格帯でも高価格帯でも品質が高いワインは色々ご用意があります。その中から好みの味筋をご案内できるかと思います。

プレゼントなどで一つオススメするのは、生まれ年のワインです。

今回は偶然、お酒を少ししか飲めない大切な友人から美味しいご飯でも食べに行きましょうという連絡があったので、お気に入りのお店にワインを持ち込んでサシ飲みしてきました。

バースデーヴィンテージのワイン

ワインを飲まない、知らない方とワインを飲むという時に何のワインを選べばいいか。とりあえず『私が思う感動するほどの美味しいをぶつければいい！』ということと、決定打は友人の生まれ年1976年のワインの用意があったことでした。ブルゴーニュであれば70年代の中でも優れて良年。手持ちの中でも同じワインを3本飲んでいて、どれも状態が非常に素晴らしかった作品の最後の1本。今回のボトルの色調も完璧なので、ブショネ（TCA）を引き当てない限りは恐らく問題なし。

選定したワインはこちら。

• H.Cuvelier ＆ Fils Aloxe Corton 1976（※信濃屋では購入出来ません）

ボルドーのネゴシアンのアロース・コルトンです。今はネゴシアンよりもドメーヌに対する関心が高い傾向がありますが、この時代はバルク売りなどで多くのワインがネゴシアンに供給されていました。このあたりの年代のネゴシアンのブルゴーニュを飲んでいると時折、素晴らしいボトルとの出会いがあります。

このアロース・コルトンなら今回ご紹介したかったジビエ料理屋さんとの相性はかつてないほどに素晴らしく、何十本と持ち込ませて頂いている中でも店主からも最高という評価でした。

ワインに秘められた溢れる赤果実、鮮血、森の動物の要素、イキモノ、生命への射程を体感できます。鹿肉のステーキ（内腿）は命を食べていることを実感できる純度の高さ、鹿肉ではなく、その個体を意識させる上質な素材を見事な火入れで焼き上げたもの。個人的にも最高のペアリングの一つになりました。

バナナのブータン・ノワールも様々な赤ワインとの相性が素晴らしいのですが、こちらも素晴らしいペアリング！

バックヴィンテージを買う時の注意

• 何度も古酒を選ぶ上で、最も注意するところは色調を確認することです。液面が高くても、光を当て、彩度が下がっていて濁っていれば、十中八九何かしらの問題が生じている可能性が高いです。

• 飲む前は静置させ、あまり揺らさないこと。澱が舞うことで味わいに粗さが出ます。飲む前には数日から数週間、セラーにて静置させることをオススメします。

• リコルクをしていない場合など、コルクが弱くなっているものもあるので、抜栓は慎重に。もしくはソムリエにお任せするのも良いと思います。

ワイン館取り扱いのオススメバックヴィンテージ

• シャトー・ボイド・カントナック[2004]　税込15,180円　※ワイン館のみ取り扱い

ペアリングは牛肉、豚肉、鶏肉、ジビエなども良いですが、赤身の生魚、鮪や鰹などのカルパッチョなどともおすすめです。

ちなみに漫画「神の雫」が始まったのが2004年。尊敬しているワインバーのオーナーさんの新しいアルバイトの方のワインの勉強（興味を持ってくれるように）にと渡したら、「自分、生まれ年っす！」と聞いてずっこけたとのこと(笑)光陰矢の如し。20歳になったお祝いなどにも是非！

• シャトー・ヴェルディニャン[2002]　税込3,498円　※ワイン館のみ取り扱い

サン テステフの近くにあるクリュ・ブルジョワ級のシャトー。革や腐葉土などを思わせる香りがあります。リーズナブルに愉しめる古酒。牛肉の赤ワイン煮などと合わせて。

• 麻屋 濃厚古酒　あさや葡萄酒　税込2,970円　※信濃屋実店舗にて取り扱い

これこそバックヴィンテージのワイン！というのはちょっと違いますが、一升瓶で熟成させていた1978年の甲州を使用して酒精強化した甘味果実酒です。黒蜜、紹興酒、ポートワインみたいな味わい。アイスクリームなどに少しかけるも良し。

さいごに…

生まれ年のワインは何かしらの特別感があります。実際に飲んでみると、充実したエネルギーを感じたり、もしくは下り坂だったりと…そのボトルと向き合って愉しめるところが魅力的です。生まれ年のワインでなくても、高くても安くてもオススメしたい品質の高いワインはご用意しています。ご来店、お待ちしております。