Shinanoya food & liquor

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【リリース告知】SHINANOYA PRIVATE BOTTLING 2024年12月の御薦め商品「JAPONISM」 

2024.11.13

いつも弊社をご愛顧いただきましてありがとうございます。 

今回は、信濃屋洋酒課より信濃屋プライベートボトルに関するアナウンスです。

もうすぐ師走。2024年最後のひと月がやってまいります。

今年も一年お疲れ様でした。そんな12月に向けて特別なウイスキーを選定致しました。

こちらのブログをご覧頂いている皆様だけ、少し先駆けて、ご案内させて頂きます。


♕ SHINANOYA PRIVATE BOTTLING on December 2024 ♙

JAPONISM “THE ANTIQUE BLENDED” 1976-2023 HOGSHEAD FOR SHINANOYA & SANSIBAR

今回御案内させて頂く一樽は、ドイツ実力派ボトラーSANSIBARと信濃屋との日独のジョイントボトリングシリーズ「JAPONISM」 です。本作で第六弾となる人気シリーズとなっています。

今回、選ばれたのは『ブレンデッドウイスキー』1976年蒸留(!)2023年瓶詰め。

なんと47年間熟成がほどこされた長期熟成原酒になります。

稀少性の高さ、そして、香り・味わいも、とても美味しい一本です。是非御薦め致します !

という要旨で一言で説明が出来てしまう一本ですが、

せっかくですので、少しマニアックな内容もご紹介出来ればと思います。


バイヤーによる解説

ジョイントボトリングシリーズ「JAPONISM」

SANSIBARと弊社で毎回共同でテイスティングを行い、厳選の末、両社が納得した高品質なカスクをこのシリーズでボトリングしています。

毎年、ドイツで開催されているリンブルグウイスキーフェアの前後から、今年の「JAPONISM」はどうしようか、最近何かいいカスク無かった?今後来るもので相応しいカスクは何か無い?等とイエンス氏と話を重ねながら決めています。

前回のベンリアック1991は、SANSIBARイエンス側の意見を優先し選定が決まったのですが、今回は我々日本側の意見を優先し、こちらの1976VTブレンデッドの原酒を「JAPONISM」として選定致しました。(ちなみにドイツ側の推しはトマーティン40年でした*)

「ザ・アンティークブレンド」

今回ご紹介している本カスクは、ブレンデッド表記ながら「1976」という蒸留年がハッキリわかっているカスクです。

シングルビンテージということで「1976VT」のみを使用した樽であり、そして、シングルカスク/カスクストレングスでの瓶詰しております。

実は中身は、“とある”ハイランドシングルモルトのティースプーンモルトである可能性が非常に高いことがわかっています。

現地とのやりとりの文面を一部抜粋すると

“It is old Highland Region Malt (probably ”xxx”) and maybe only teaspooned. Otherwise the grain whisky inside must be very low percentage.I had the sister cask of 1976 with “deinwhisky” sold as Blended Malt. In addition, the bottling report says Highland single malt scotch whisky.”

*”xxx”は蒸留所が書いてある為伏せてあります。

上記の通りで、極めて”ブレンデッドモルト”として認められるカスクです。

ティースプーンの”ブレンデッドモルト表記”(ほぼシングルモルト)と言っても過言でないでしょう。

「ブレンデッドモルト」でのリリースをすることも可能なのですが、グレーンウイスキーが入っているという可能性も完全に否定出来ない以上、我々としては「信頼」を優先して「ザ・アンティークブレンド」という名前での販売をすることに致しました。

XXXの中身について、実際に現地とのやり取りをしている中では名前が上がっていますが、私としては敢えて明言を避けたいと思います。

”1976”というキーワード。そして非常にフルーティーでもありますし、サプライヤーの言及している蒸溜所でも実際にあり得るレベルのクオリティです。

一方で長期熟成のジャパニーズシングルモルトのような白檀や麝香(ムスク)の様な香木系の要素も強く感じられますし、

北ハイランド地方にある首の長い蒸溜所の長期熟成原酒の様な、こなれた麦とオレンジの味わいも感じられ、欧州愛好家の中ではそういった声も聞くところです。

いずれにせよ、素晴らしいカスクであることは間違いありません。

是非、日本のウイスキーを愛する方々に飲んで喜んで頂けたら幸いです。


本カスクは非常に珍しいカスクスペックですが、独逸「Dein Whisky」が以前”ブレンデッドモルト”表記でリリースしていますが、この姉妹樽です。

彼らはティースプーンモルトとしてリリースしました。

*写真は、Dein Whisky社より許可を得て借り受けています。

「Dein Whisky」は、今年のリンブルグウイスキーフェア2024でも一緒に出展をしており、代理店関係こそ組んでいませんが、我々は友人であり、同じウイスキーを愛する酒販店仲間として、欧州市場のカスクにおいて連携しています。

Dein Whiskyでの姉妹樽は、その時の販売価格が”499ユーロ”でしたが、今回のJAPONISMの価格は、姉妹樽よりも一年以上熟成を経ていますがその当時の価格とほとんど変えていません。

欧州市場でのリリースについても、大きな価格差が生じぬよう、SANSIBARと協議の上、流通価格を統一いたしました。

日本市場向けの販売価格に関しても可能な限りなるべくフェアなプライスになるように努めました。

海外各マーケットでシェアリングを致しまして、日本へは138本限定で販売させていただきます。


テイスティングコメント

香りは、熟成感のある甘美で魅惑的な香り立ち。たっぷりの麝香(ムスク)や白檀、日本家屋やアンティーク家具、ウェアハウス、白イチジクのジャムや熟れた柿や和梨、アプリコット、なめし皮と葉巻の箱。

口に含むと、円熟味を感じる充実したマウスフィールが広がり、シルキーでこなれた麦芽風味、キャラメルやロイヤルミルクティー、白イチジクや竜眼、温州みかんのジャム。

フィニッシュは、スパイシーさとフルーティーさを伴いながら複雑に心地よく続く。

長期熟成原酒ながら余韻にかけてのフィニッシュも充実感のある強さを保っています。

総評:非常にフルーティー。白イチジクや竜眼。濃密な白檀やムスクの魅惑的なオークスパイスが重なり、キャラメルとシルキーなモルトの舌触り。時間経過で、奥に眠るフルーツが目を覚ましていく。

至高の一杯をどうぞお楽しみ下さい。


オリジナルラベルについて

JAPONISMのラベルシリーズは、その名の通り、「ジャポニズム」の影響を大きく受けたアートワークを歴代使用しています。

今回のオリジナルラベルには、イギリスの油彩画家ウィリアム・ログスデール氏の「英日同盟」を採用しました。イギリス少女が紅茶を入れる背景や部屋に日本を想わせる日本人形や屏風、和傘などが描かれています。どことなく、このウイスキーにも繋がるような要素も感じられるかもしれません。

日本の伝統色「若竹色」のカラーを採用しています。ドイツでの印刷で少し不安でしたが、ターコイズブルーのようで鮮やかに綺麗な色で、目にも美しい仕上がりになり、制作者として満足しております。

きっとバーカウンターやキャビネットを美しく飾ってくれるかと思います。


商品スペック

シリーズ名:【JAPONISM】6th Releases presented by SANSIBAR  X  SHINANOYA 

商品名:THE ANTIQUE BLENDED 1976-2023 FOR SHINANOYA&SANSIBAR

SINGLE CASK : HOGSHEAD / SINGLE VINTAGE :1976 / CASK STRENGTH : 49.0%

店頭販売価格:81,800円(税込89,980円)

販売スケジュール:

2024年11月25日(月) 信濃屋各実店舗にて予約開始。

2024年11月29日(金) オンラインショップ販売分抽選販売。

2024年12月6日(金) 商品発売開始。

*予約開始日前の各実店舗へのお問い合わせはご遠慮下さい。

*各実店舗受注本数には限りがございます。予約数完売の際はキャンセル待ちとさせていただきます。

 予めご了承下さい。遠方のお客様は、オンラインショップ抽選販売をご利用ください。


購入前の事前試飲について

本プライベートボトルですが、8万円を超える高額ボトルになります。

また、【解説部】を読んで頂いた方はどういったボトルかご理解いただいたかと思いますが、名称では「ブレンデッド」と名うったことで、本ブログを拝見されていない方等スペックだけでの購入は躊躇われる方も多いのではないかと思います。

(ブレンデッドウイスキーは奥深く面白い世界なので今一度光が当たるといいなと個人的には思っています。)

実際にお客様にボトルを試していただく機会をなるべく設けてご納得の上でご購入いただけたらと考えております。

今後、弊社は下記のイベント出展を予定しております。

11月16日(土)信濃屋本店(ワイン館)有料試飲会 -有料試飲のみ‐
11月24日(日)バーエキスポ大阪2024
12月7日(土)/8日(日) ウイスキーフェスティバル東京2024

上記のイベント内では、こちらのボトルの有料試飲 及び イベント限定予約も受付予定です。

是非、イベントにご参加の際は弊社ブースにお越しの際には、本ボトルをお試しください。

(イベント内予約は数量限定になります。予定数完売時はご容赦下さいませ。)

また上記以外での弊社主催の試飲会やバーイベント等でもお試し頂ける機会が作れるかもしれません。

こちらについては、追って各弊社からの最新情報を追っていただければ幸いです。


信濃屋洋酒課バイヤープロフィール

株式会社 信濃屋食品 営業本部洋酒課課長 兼 チーフスピリッツバイヤー

東京都出身。20代でウイスキーの魅力に目覚め、学生時代から都内のBARやウイスキーのイベントに通う。ベンチャーウイスキー秩父蒸留所での見学がきっかけで、本格的にウイスキーを仕事にすることを決断し、㈱信濃屋食品2014年社員入社。店頭での販売員としての勤務を経て、2017年より商品開発を担当するスピリッツバイイングチームの一員として勤務。2019年現職スピリッツバイヤーになり、信濃屋プライベートボトルを中心とした商品開発を担当。十勝酒造㈱執行役員として、2025年稼働予定 十勝蒸溜所のプロジェクトに携わる。

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