
食の探求セミナー「365日育てる天日塩」@北千住マルイ店 阿部
今回のブログ担当者は…?
北千住マルイ店の阿部です。食事とお酒を楽しむことが趣味で、美味しいものが大好きです!今回は5月17(土)caskに併設されたレストラン『W』にて開催された、「食の探求セミナー」に参加させていただきました。
テーマは、「完全天日塩」についてです。私が日常摂取している塩との違いを知り、味わいを楽しむことができましたので、皆さまにお伝えしたいと思います。
食の探求セミナーについて
食の探求セミナーとは、学びと発見を通じて食べることに向き合い食の本質を知っていただく場としてスタートしたイベントです。信濃屋がその道のプロフェッショナルをお迎えしご講演いただきます。その後、講演で取り上げられた食材を使った特別なランチコースをお楽しみいただくという内容です。毎回定員50名様のお席は満席で、大変ご好評頂いております。
田野屋紫蘭氏について
田野屋紫蘭氏は、もともと埼玉県春日部市役所で奥様とともに公務員として勤務されていました。しかし、定年までその職に就く将来像が描けず、悩まれていたそうです。
ある日、テレビで現在の師匠である田野屋塩二郎氏の特集を目にし、東京出身でありながら単身で高知県に移住し、地方でイノベーションを起こしている姿に深く感銘を受けました。
すぐに塩二郎氏に電話をかけたところ、「来るなら塩づくりを全部見せますよ!」と快諾いただきました。当時ゴールデンウィークの真っ只中、埼玉県から高知県まで車で18時間かけて向かわれたそうです。

到着した塩づくりの現場は、まるで別世界。ハウス内は塩の香りと蒸気に包まれ、太陽光が透過するシステムのもと、海水を張った箱が並び、光の反射が幻想的な雰囲気を醸し出していました。
この体験に心を奪われた紫蘭氏は、公務員を辞職し、高知県へ移住。塩二郎氏のもとで3年間修業を積み、2023年に高知県安田町で「田野屋紫蘭」として創業されました。
現在は、清流安田川が育む土佐の海水を原料に、太陽光と職人の技で結晶化させた「完全天日塩」を製造されています。
この塩は、夏場で3ヶ月、冬場で6ヶ月かけてじっくりと結晶化させることで、ミネラルを壊さず、素材の味を引き立てる深いコクと余韻を持つ塩に仕上がっています。
塩スペシャルランチの紹介
▼まずは6種の塩からご紹介します。

左上から時計回りに胡椒塩、米塩、梅塩、小粒「万能」、究極塩、大粒「コクと余韻」
それぞれ粒の大きさや、ミネラルのバランスで、しょっぱさや甘味、苦味、酸味に変化があり、面白かったです。これを料理にどう使うかという楽しみも湧いてきました。
▼小林養鶏場より10a半熟卵とグリル野菜

そら豆、アスパラ、ラディッシュのグリルをシンプルに塩でいただきました。個人的には小粒塩のしょっぱさと、さらっとした質感が野菜に馴染み、米塩は苦味が合いました。半熟卵には究極塩の独特な香りと甘みが調和していました。
▼恋する豚研究所より 豚肩ロースのロースト

しっとりとした肉質と、さらりとした脂がおいしい豚肩ロースには、大粒塩が合いました。 塩は口に含むと力強いのですが、じわじわ溶けて豚の味わいや脂の甘さを引き立ててくれました。素材によって塩を使い分けることにより、食事がより一層美味しく、楽しくなりました。
「完全天日塩」学びと発見
完全天日塩は365日休むことなく1時間~2時間に一度、結晶箱に入った海水を混ぜていきます。塩が出来るまで3~6ヶ月塩を育んでいきます。太陽と風の力で作るので手間と時間がかかります。そうして出来た塩はミネラルがあって、しょっぱいだけでなく、甘味や苦味、酸味が感じられる美味しい塩になります。
減塩などと言われ、塩分の摂りすぎは良くないという傾向にありますが、それはミネラルのない、ほぼ塩化ナトリウムの塩のことだそうです。海水と人の血液はミネラルバランスが似通っており、ミネラルのある塩は人間の体に良い影響を与えてくれます。紫蘭さんの言葉で印象に残ったのは、「海と人のバランスを取る架け橋が塩」とおっしゃっていました。
健康の面でも、味わいの面でも、ミネラルのある塩の魅力をたくさんのお客様に伝えていきたいと思いました。
さいごに・・・
信濃屋では「食・酒の探求セミナー」を cask / W TORANOMON にて定期的に開催しています。ご案内は信濃屋コーポレートサイト内のニュース・イベント情報にてご確認いただけます。セミナー開催中、お食事と共に気になるワインをセラーから自由にお選びいただき、BYOスタイルで気軽にお楽しみいただけます。気に入ったワインはそのまま購入も可能です。当イベントは一般の方から業界の方まで、どなたでもご参加いただけますのでご興味がありましたらご予約をお願い致します。皆様のご参加を心よりお待ちしています。