【バイイング紀行】Killikを求めて。
いつも弊社をご愛顧を賜り誠にありがとうございます。
今回は、信濃屋洋酒課より現地訪問記をお届けさせていただきます。
オーストラリア・ビクトリア州 メルボルン郊外のKILLIK DISTILLERY。
昨年5月に現地での訪問を経て、先月1月にリリースさせて頂いたラムです。
サンプルのテイスティングからキリークラムへの情熱を共有した、弊社 新橋店所属の堤 氏 に、現地の訪問、キリークを探し求めるまでの”旅の軌跡”を纏めてもらい、紀行文を寄稿してもらいました。
是非リリースされたキリークラムを傾けながら、現地の雰囲気や旅の裏側など、堤氏の文章を読みながら楽しんでいただければ幸いです。
引き続き美味しいお酒を求めて邁進してまいりますので変わらぬご愛顧を何卒お願いいたします。また、キリークを巡る”続編”にもどうぞご注目いただけますと幸いです。
そして、今回輸入に尽力してくださったKyoto Fine Wine and Spirits の王子氏、この旅のきっかけと情熱の火を分けてくださった Bar MADURO 中村氏の両名にはこの場で感謝の意を表します。 (文:秋本)
メルボルン紀行 ~KILLIK蒸溜所~
衝撃を受けたのはROM DE LUXE というデンマークの独立瓶詰業者のラムで、 月次の洋酒会議の後に秋本バイヤーが差し出した小瓶であった。
その無色透明な液体は複雑なフレーバーを持ち会議室全体に香りがいきわたる。同じような体験は35年から40年の熟成を経てブレンドさせたカルヴァス以来で、抜栓した当時を思い出すかのように揮発するアルコールに香りがしっかりと重なり合い部屋中を包み込む。
「ホワイトスピリッツ」と「ブラウンスピリッツ」という分岐点から、樽の確保と熟成という時間的なコストなども商品として価値に差が出てくる。しかし長きにわたり蒸溜酒を飲んでいると、その境界線もあまり重要ではなく、原料と発酵からもたらされる影響こそが蒸溜酒にとって大きな要素だと考えている。

小さなサンプル小瓶から旅は始まった。
実物のボトルの画像には「AUSTRALIA」「UNAGED」「60%」と容量の表記のみで、中央には白い蛇の画が配置されている。聞くところによると、このボトルは博多の中洲にあるBar MADUROの中村氏が所有するラムで、九州に一度も行った事のない私でも知っている有名なラム専門のバーのものだ。
このラムの余韻に浸る時間もないまま、秋本氏から「行きますか?」とだけ尋ねられた。とっさの投げかけに動揺しながらも「はい」との言葉しか出てこなかった。
この会話から数ヶ月後、実際にオーストラリアに出向く事になったが、秋本氏は他の仕事が重なり、渡豪はかなわず、アテンドを引き受けてくれた中村氏とKyoto Fine Wine and Spirits の王子氏と私の3名がメルボルンで現地集合する事になり、秋本からのフライトの旅程をみると、5月12日(月)の朝6:55羽田空港を出て18:00にシドニー空港へ、4時間のフライト待ちのあと23:35にメルボルンに到着。14日(水)の10:30にはシドニーへ戻るため、ほぼ13日(火)の1日のみの滞在となる、タイトなスケジュールだった。
日付が変わる直前のタイミングでメルボルン入りした私は、前日入りしていた中村氏、王子氏と合流。現地の老舗バーで葉巻を燻らせる中村氏と初対面する事になり、挨拶も早々に閉店間際のバーで軽めのミーティングで初日は終了した。

メルボルン中心街
翌日は今回の渡豪の重要な目的でもあるKILLIK蒸溜所へ。市街地でKILLIKのサム氏とDEAD RECKONINGのジャスティン氏が車で出迎えてくれた。

蒸溜所入り口
蒸溜所は倉庫街にあり、発酵槽や蒸溜器も細かく整備されていた。製造工程の説明ではキリークの特徴でもある発酵についての解説が中心で、一次発酵にはおよそ2週間を要し、その後ダンダー(蒸溜廃液)を加えた二次発酵は、天候に応じて2週間から4週間の計4〜6週間の嫌気性発酵をおこない、十分に成分が引き出された段階で、蒸溜の工程へと進む。

蒸溜器の写真

一次発酵槽

二次発酵槽
キリーク最大の特徴でもある嫌気性発酵は、ワインの醸造やコーヒー豆の精製過程でも使われる方法でもあり、この製法によって従来のラムとは異なるフレーバーをもっている。
蒸溜後は熟成を待たずバルクの状態で、ヨーロッパをはじめ各国へと出荷される事も多く、生産の一部は隣接したウエアハウスで熟成される。

定番商品の試飲と解説を聞いている一同
そして、現地で販売しているスタンダード商品と特別に用意してくれたシラーズカスクをテイスティングした。KILLIKが造る製品はどれもクオリティが高く、日本でこのラムが発売されれば、驚きと共にホワイトラムが持つユニークさに、熱狂的に惹かれる人が増えるだろうと確信した。
蒸溜所でのテイスティングが終わりウエアハウスへ。4段ほど積まれた樽から、直接グラスへ注いでくれたキリークもまた素晴らしい味わいで、約150樽が眠る熟成庫を目の前に興奮を抑える事はできない。

熟成している樽が並ぶ。

特別に飲ませて頂いたシラーズカスク。今回プライベートボトルとしても選定されたカスクの一つ。

ウェアハウステイスティングを行う新橋店堤氏

ウェアハウステイスティングを行うKyoto Fine Wine and Spirits 王子氏とKILLIKサム氏

ウェアハウステイスティングを行うBAR MADURO中村氏
キリーク蒸溜所が造るハイエステルラムと、オーストラリアの自然がもたらす熟成への変化、そしてまだ見ぬキリークの魅力を知りたいと、一人のファンとして願っている。
(文:信濃屋新橋店 堤)
今回の旅を通じて購入したボトル/プライベートボトル
キリーク シルバー オーバープルーフ

商品ページはコチラより。
キリーク シルバー オーバープルーフ for JAPAN(Bar MADURO,KFWS & SHINANOYA)

商品ページはコチラより。
キリーク [2021] 4年 シラーズカスク for Bar MADURO,KFWS & SHINANOYA

商品ページはコチラより。