スペイン・フランス出張(フランス編)@バイヤー 横山
今回のブログ担当者は…?
直輸入ワインバイヤーの横山と申します今回のブログは私が担当させていただきます♪♪今回は4月末にスペインとフランスのボルドーに出張した際のフランスのお話で、前回の山北さんの続きです。(スペイン・フランス出張(スペイン編)はこちら)
ボルドープリムール2023
この時期にボルドーに行くと聞いてピンとくる方は相当ワイン通です!弊社ワインチームで4月22日~25日まで行われるボルドープリムール2023に参加することとプライベートブランドのシャトーを訪問するためにボルドーに来ました。
まだリリースされていない醸造ほやほやの赤ワインを中心に試飲のオンパレードでかなりヘビーな毎日でしたが、非常に有意義な4日間でしたのでご覧いただければと思います。
まずは22日、この日の午前中はUGCB(Union des Grands Crus de Bordeaux)の試飲会へ。ここでは約60にも及ぶシャトーの試飲を実施。各アペラシオン毎の特徴がつかめます。以前弊社お越しいただいたラグランジュのマチュー社長ともここで再会。本当にフットワークの軽い素晴らしい方です。(※ご来社いただいた時の記事はこちら)
午後はネゴシアンの若きオーナー、ダミアン氏と合流して弊社のプライベートブランドの2シャトーへ訪問。
- シャトー・オー・ルドン
イタリアをルーツに持ち3世代続く家系のゼッキーニ氏がワイン造りを行っており、現在70haの畑を所有しメルロの栽培比率が60%。弊社向けにカベルネを瓶詰めしていただいていますが、巨大なタンクが並ぶ醸造所は掃除が行き届いていて、美味しいワインができるのも頷けます。ここだけの話、聞けば皆さまが「あー」とうなずくあの生産者のワインも造っている実力派の生産者です。
- シャトー・ジャロン
2003年設立で仲の良いご夫婦でワイン造りを行っているプチ・シャトー。今やポンテ・カネなど格付けシャトーも導入するアンフォラを、この地域でいち早く導入した新進気鋭な作り手。今後はミュスカやサペラヴィ、今注目されるハイブリッド品種のカベルネ・コルティスなども植える予定で、アペラシオンにこだわらず柔軟な発想でワイン造りを行っているのが特徴的なシャトーです。
訪問シャトー@ボルドー右岸
23日は右岸の11シャトーを訪問。
クインタス/アンジェリュス/パヴィ/ヴァランドロー/カノン/トロロン・モンド/VCC/フィジャック/ラ・ドミニク/シュヴァル・ブラン/ネナン(試飲はレオヴィル・ラスカーズ含)
2023年はカベルネの年といわれておりますが、カベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フランが本当に良い仕事しています。
第一特別級Aのシュヴァル・ブラン/パヴィ/アンジェリュス/フィジャックはどれも素晴らしい。サン・テミリオンで一番標高の高いトロロン・モンドも素晴らしいテロワールで注目です。
また、その日の早朝はブドウ樹の大敵の霜が出る予想で、霜対策用の藁を燃やした煙が空をおおっているのも感慨深い情景でした。※大きな被害にはならなかったようで一安心。
訪問シャトー@ボルドー左岸
24日は左岸の13シャトーを訪問。カロン・セギュール/モン・ローズ/コス・デス・トゥルネル/クレール・ミロン(試飲はダルマイヤック/ムートン・ロートシルト含)ポンテ・カネ/ラトゥール/デュアール・ミロン(試飲はラフィット・ロートシルト含)ラグランジュ/マルゴー/パルメ/マレスコ・ST・テグジュペリ/ローザン・セグラ/ラスコンブ。
5大シャトーは圧巻でしたが、2022年ヴィンテージに比べると少し穏やか。ただネガティブな要素はなく完成度は非常に高い味わいです。マルゴーとグラーヴはミルデュー(ブドウ病のひとつ「ベト病」)の被害があったため生産量が例年の10~20%減。
オー・ブリオンとラフィット・ロートシルトはシャトーを改装中で訪問できず、オー・ブリオンは目の前にあるラ・ミッション・オーブリオンで、ラフィット・ロートシルトはデュアール・ミロンでの試飲となりました。カルム・オー・ブリオンではこのクラスで唯一全房発酵を導入。ボルドーとは思えないエレガントさが際立っていました。ポンテ・カネでは卵型の木樽タンクを見学。右岸ですが22日訪れたアンジェリュスでは今後天井に樽を設置する予定で、こういった新しい技術がボルドーでは毎年のように増えていくとのことです。
ボルドーまとめ
2023年ヴィンテージは暖かい春で芽吹きが遅かったため、ここ数年大きな問題になっている霜の被害は少なかったようです。ただ暖かいものの、不安定な天候により前半はミルデュー(ブドウ病のひとつ「ベト病」)の被害が一部の畑でみられました。(冬が寒くなかったことも菌が死滅できず、その被害を助長させたようです。)その後、夏の終わりに雨がまた降りましたが、カベルネの収穫が終わるまで晴天が続きました。そのため2022年ヴィンテージのような典型的なグレート・ヴィンテージではありませんが、パワーではなくストラクチャーがしっかりしていながらフィネス溢れるヴィンテージです。一言で表現するなら「クラシック」で味わいは「エレガント」。シャトーにとっては雨と病害で努力と気苦労の多いヴィンテージだったと思いますが、出来上がったワインの品質は良く「当たり年」と言える高い品質といって過言ではありません。
現在シャトーから2023年ヴィンテージが随時発売されていますが、日本への入荷は約2年後。今回のヴィンテージは現地でしっかり試飲をして買い付けたワインになります。ぜひ楽しみにしていただければと思っております♪♪