
テヌータ・サン・グイド セミナーをリポート! @武蔵小山店 阿部
今回のブログの担当者
こんにちは。今回のブログは信濃屋武蔵小山店の阿部が担当させていただきます。
先日開催されたテヌータ・サン・グイド(Tenuta San Guido)セミナーに参加させて頂き、非常に貴重な体験となりましたので、今回リポートさせていただきます。
イタリア・ボルゲリを代表するワイナリー、テヌータ・サン・グイド。創始者のマリオ氏から3世代目となる営業担当のプリシラ氏が来日。 代表作「サッシカイア(Sassicaia)」をはじめ、グイダルベルトやレ・ディッフェーゼといったワインをテイスティングしながら、ボルゲリという土地の魅力についてプリシラ氏から直接お話をお聞きできたとても内容の濃いセミナーでした。
テヌータ・サン・グイドとは? ~サッシカイアが生まれる
まで~
トスカーナ州ボルゲリに位置するテヌータ・サン・グイドは、「スーパータスカン」の代名詞とも言える存在です。
創始者はピエモンテの家系に生まれたマリオ・インチーザ・デッラ・ロケッタ侯爵。
彼は若い頃から、農業に強い関心を持ち、自分の農業の理想を追い求め、ピエモンテで様々な実験を行っていたそうです。

トスカーナの名家ゲラルデスカ家のクラリーチェと結婚後、マレンマ地方に移住し、そこで、ボルゲリの可能性を見出し、様々な品種を試した結果1940年代初頭に最初のカベルネ・ソーヴィニヨンを植えました。これがワインメーカーとしての歴史の始まりです。
現在ではイタリアを代表するワインのひとつである「サッシカイア」ですが、元々は家庭消費用ワインとして造られていました。近所では評判のワインだったようですが、市場には出ておらず、非公開のワインでした。 マリオ侯爵とその息子で、経営学を学び起業家精神を持ったニコロ・インチーザ・デッラ・ロケッタ氏、彼らの尽力により、1971年「サッシカイア」はついに世にリリースされます。市場に登場するや否や世界中で高評価を受け、現在ではイタリアを代表するワインのひとつに。ボルゲリDOCが設立されるきっかけにもなった伝説のワインです。
ボルゲリのテロワールって?
ボルゲリは海からの風が吹き込む温暖な地中海性気候。土壌は砂利や石灰、粘土などが入り混じり、水はけがよく、ぶどうの成熟が穏やかに進みます。
テヌータ・サン・グイドが所有する畑はボルゲリの中でもかなり海寄りの丘陵地にひろがっています。標高は60~400メートルに位置し、標高の高いエリアは粘土質の土壌で主にメルローが、標高の低いエリアは石灰質の土壌で主にカベルネ・ソーヴィニヨンが植えられています。畑は日照や土壌構成に基づいて区画ごとに分けられており、これがワインの複雑さを生み出し、気候変動に応じた最適なブドウの選別を可能にしています。ちなみにトスカーナの代表的な品種であるサンジョベーゼは海風に弱いため、こちらのエリアでは上手く育たないそうです。
テイスティングレポート
今回のマスタークラスでは、以下の4本を試飲させて頂きました。
(先入観なく飲んでほしいとのことで、ブラインド形式で提供されました。ドキドキでした(笑)

– Sassicaia 2020
– Sassicaia 2021
カベルネ・ソーヴィニヨン主体カベルネ・フランとのブレンド。
– Guidalberto 2020
– Guidalberto 2021
メルローとカベルネ・ソーヴィニヨンのブレンド

Sassicaia 2021
パーカーポイント100点を獲得した1本。まだ若く、香りはかなり閉じ気味で非常に抑制的。ただしストラクチャーは明確で、堅牢な酸とタンニン。構造の大きさから「ポイヤック的」と評される理由も納得。熟成による変化が非常に楽しみな一本です。
税込38,500円
Sassicaia 2020
2021に比べて全体的に少し柔らかく、果実の明るさが印象的で酸はやや穏やか。21年より比較的早く楽しめるスタイルかもしれません。
税込38,500円
※一部、店舗にてお取り扱い中。ご要望の方はお問い合わせください
Guidalberto 2021
香りもある程度開いていて、華やか。しなやかな果実味にフレッシュな酸が加わり全体的に少しチャーミングな印象。
税込8,800円
※一部、店舗にてお取り扱い中。ご要望の方はお問い合わせください
Guidalberto 2020
今回の中で最も印象に残った一本。果実味、酸、タンニンのバランスがとても良く、一年の違いですが、全体的な要素によりまとまりを感じました。
※ご要望の方はお問い合わせください
テイスティングを通して
サッシカイアとグイダルベルトそれぞれ20年と21年を飲み比べができて、非常に貴重な経験でした。最初はブラインドでの試飲だったこともあり、品種やヴィンテージによる味わいの特徴やそれぞれのキャラクターの違いがより実感できたと思います。
20年は温暖でブドウの糖度が上がりやすい年。コロナによるロックダウンの影響もあり、人員の確保が難しく収穫のタイミングが非常に難しかったそうです。対して、21年は安定した気候で収穫期はやや涼しく、クラシックで高品質なヴィンテージ。それぞれのヴィンテージの特徴が反映され、その表情をワインから感じとることができました。素晴らしい体験でした。
最後に
まだまだ書ききれてないことが、たくさんあるのですが・・。
そのくらい情報量は多く、まだ処理できていません(笑)
今回のセミナーでプリシラ氏はよりグイダルベルトに重点を置いてお話しをされていました。グイダルベルトはサッシカイアに比べ、若いうちに楽しめるスタイルとして生まれ、個人的にもセカンドワイン的な位置づけで見ていました。しかし、セミナーを経て独立したキャラクターと個性を持った、まさにテヌータ・サン・グイドの第2のワインであると実感しました。また、プリシラ氏は熟成のポテンシャルにも注目していて、先日アジアのイベントで空けた2006年VTのグイダルベルトが素晴らしかったそうです。ぜひ飲みたい・・・。
今回のセミナーは、学びの多い、非常に価値ある体験となりました。この経験を活かし、テヌータ・サン・グイドの魅力を、より多くの人に伝えていきたいと思います!