
ワイナリー訪問記 -ニュージーランド出張編-Part1 @ワイン館 佐藤
今回のブログの担当者
みなさんこんにちは。信濃屋ワイン館の佐藤です。今回は5月末に行ってまいりましたニュージーランド出張について書かせていただきます!
個人的にはこれで3回目の訪問。仕事でありながら、どこか旅のような時間が流れるこの国は、いつも特別な感情を抱かせてくれます。今回は新しい出会いもありましたので、その辺りにも触れさせていただきたいと思います。
ニュージーランドについて
訪問しました5月末の気候は日本の「秋~冬」にあたります。ですが地域による差が大きく、空の玄関口であるオークランドや北島のホークス ベイあたりは日中15℃前後とシャツ一枚で過ごせる暖かさ。一方で、南島のセントラルオタゴは空気がガラッと変わり一気に冬の気配。朝晩は5℃以下まで冷え込み、ヒートテックとダウンが手放せませんでした。
この気温差も異なるキャラクターのワインを産み出す要因の1つとなっています。
プロヴィダンス
最初に訪問させていただいたのが、ニュージーランドトップワイナリーの一角であるプロヴィダンスです。
プロヴィダンスの特徴は、完全なるオーガニック栽培のブドウ100%で仕立てられていること。化学肥料、酸化防止剤、保存料は一切使用せず、ブドウ作りから醸造まで一貫して自然に任せることをポリシーとしています。2haの自社畑があるマタカナは、降水量が少なく、日照時間の長い地域。昼夜の寒暖差が18℃を超え、酸味とバランスの良い熟成を可能にします。恵まれた気候と火山性の鉄分を含む水はけの良い粘土質土壌により、ブドウは地中深くに根を張り養分を豊富に吸い上げ、凝縮味を持ちます。
また厳格な基準を設けており、基準に満たない年のブドウは全て切り落とし畑の肥料にしてしまうという徹底ぶり。また2025年は、なんと5年ぶりに仕込んだヴィンテージ!
生産本数も少ないので、見かけたらぜひ手に取っていただきたいワインの1つです。

父親の代から使っている1930年代と1940年代製造の樽(左右端の樽)

争奪戦必至です


右…2020年 グレートヴィンテージ。柔らかさの中に力強さがあり、キメの細かいタンニン。今後の熟成が楽しみです。

爽やかな香りとしっかりとした辛みが特徴的です。


鉄分を多く含んでいます。

アント・マッケンジー
続いて迎え入れてくれたのは、ホークス・ベイを拠点にマールボロやマーティンボローを含んだ数ワイナリーの醸造コンサルタントを行っているアント・マッケンジーです。
アントはスパイ・バレー、マッド・ハウスのチーフワインメーカーを歴任し、2009年にカルトワインとして名高い「ドライ・リバー」のチーフワインメーカーに就任しました。
ドライ・リバーを退任した後も友人のワイナリーや自身のブランドなどでその卓越した腕を奮っています。


1970年代の建物を増築して使っているとのことでした。

マールボロのSBを使った
樽発酵&樽熟成のワイン

ワインとの相性も◎
ヴィラウラ
ホークス・ベイに拠点を置き、ニュージーランドでは珍しいシャンパーニュ製法で造るスパークリングワイン専門の生産者です。ホークス・ベイやマールボロ、セントラルオタゴなどの単一畑から収穫されたブドウを使用し、ハイクオリティなスパークリングワインを生み出しています。今までは他生産者のスパークリングワインを委託醸造しており、数年前から自身のブランドとなる「ヴィラウラ」をスタートさせ、2025年にトップ・ワイナリー・ニュージーランドを獲得しました。

元パイロットで日本への留学経験もあるという異色の経歴の持ち主。

ブドウの収穫から瓶詰め、パッケージングに至るまで全ての工程が手作業によって行われています。瓶内熟成も最低36ヶ月としており、その品質やこだわりはシャンパーニュに負けずとも劣らないクオリティです。



全てのボトルにマーカーで印を付けています。


最高賞を獲得したヴィラウラ マールボロ・ブラン・ド・ブラン・エクストラブリュット2020。
極辛口の仕上げながらも、果実の厚みがありドライすぎず絶妙なバランス。
酸化的なニュアンスもなく、一般的なシャンパーニュと比べても遜色ない品質の高さです。
インヴィーヴォ

今回はスケジュールが合わずワイナリーへは訪問出来ませんでしたが、時間を作ってくださりお会いすることが出来ました。
弊社PB「ログ・ジパング」の新エチケットを見られるとの事でしたが、諸事情により叶わず…。完成品が届くのを今から楽しみにしています!
左…オーナー兼マーケティング担当
ティム・ライトボーン氏
右…オーナー兼ワインメーカー
ロブ・キャメロン氏
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次回はセントラルオタゴ編と番外編をお送ります!そちらも併せてお楽しみください!