Shinanoya food & liquor

ウィスキー・ハードリカー・ワイン・こだわりの食品の情報をお届けします。

ワイナリー訪問記-南アフリカ出張編part②-@ネット店 升田-

2023.09.07

今回のブログ担当者は…?

前回に続き、ネット店の升田がワイナリー訪問記-南アフリカ出張編-をお届けします!!よろしくお願いします。今回は信濃屋で販売している生産者にスポットを当てて、訪問したワイナリーをご紹介させていただきます。ちょっとワイナリー数が多いので紹介文は短めに…我々が訪問した順番にご紹介させていただきます。では、行ってみましょう♪

Savage Wines / サヴェージ・ワインズ

ダンカン・サヴェージ氏

ケープ・タウンの街なかの倉庫街に拠を構えるアーバン・ワイナリー。かの「ケープポイント・ヴィンヤーズ」の醸造長としてその名を馳せたダンカン・サヴェージ氏が満を持して立ち上げた自身のワイナリーです。2002年に地元の農業大学を首席で卒業し、2004年から「ケープポイント・ヴィンヤーズ」で醸造に携わり、瞬く間にこのワイナリーをトップブランドに引き上げ、2008年には「プラッターズ・ワイン・ガイド」にて 『年間最優秀ワイナリー賞』 を受賞するに至ります。Tim Atkin MW, SA Special Report でも常に最上級の1級に格付けされており、ついに2022年9月 『Winemaker of the Year』 に選出されました。

最初のワイナリー訪問にて、いきなりテンションが頂点に上がるほどの衝撃がありました。写真の場所はワイナリーに新設したテイスティングルーム。趣味のサーフボードが飾ってあったり、飲んだボトルがところ狭しと並んでいるカウンターがあり、彼のセンスが随所に光る遊び心溢れるまさにガレージワイナリーでした。ワインの味わいも洗練された品質で、帰国後真っ先にラフィネさんから仕入れた生産者になります!!

Porseleinberg / ポルセレインベルグ

カリー・ロウ氏
1850年代物のハイデルベルグ社製活版印刷機

「サディ・ファミリー」「ラール」「A.A.バーデンホースト」「テスタロンガ」等が参画している 『スワートランド・インディペンデント・プロデューサーズ』 の主要メンバーであり、メンバーから”レジェンド”と呼ばれるカリー・ロウ氏が2009年に立ち上げたワイナリーです。生み出されるワインは、ワイナリー名に冠されたスワートランドにある「ポルセレインベルグ」の丘にある畑のブドウを用いたシラー1種類のみという見事な潔さです。2010年が初ヴィンテージでしたが、その評判は瞬く間に国内のみならず国際的な評価を上げ、今となってはカルト的人気を誇るワインとなりました。Tim Atkin MW, SA Special Report においても常に最上級の1級に格付けされています。

なんと言っても潔さ!!造っているキュヴェ1種類に全力投球。ワインラベルは1850年代物のドイツ、ハイデルベルグ社製活版印刷機で1枚1枚自分自身で手掛けるほどに思いを込めてワインを造っていることに感銘を受けました。こだわり抜いた南アフリカ最高峰のシラー。

A.A.Badenhorst / エー・エー・バーデンホースト

左から信濃屋ネット担当:升田/ラフィネ:文屋氏/中央:アディ氏
右からラフィネ南アフリカ在中:玉井氏/信濃屋ワインバイヤー加藤

ハイン&アディ・バーデンホーストのいとこ同士が当主のワイナリーで、彼らはコンスタンシアの大自然の中、農園を営む家族のもと育ちました。その後フランス、ニュージーランド、南アフリカのワイナリーで研鑽を積み2008年、1930年代から使われなくなり放置されていたスワートランドの農園と醸造所を購入し、徹底した有機栽培の農園とワイナリーを始めました。彼らは南アフリカにおけるビオロジック栽培のパイオニア的存在で、国内はもちろん世界のワインマーケットから絶大な注目を集める生産者です。彼らは自らの探求心を追求し続けながらも後進の育成にも積極的で、多くの若い造り手の面倒を見ています。

今回はそんな手塩に掛けた造り手の中の一人、南アフリカで日本人として初めてワイン造りを行った生産者をご紹介。佐藤 圭史氏が手掛ける『Keiji Sato』バーデンホーストで収穫や醸造のアシスタントとしてサポート役を務め、アディの独創的な哲学とセンスを肌で感じながら、その卓越した栽培方法、醸造技術を吸収していきました。そして遂に2017年、念願の自身の名を冠したキュヴェが生まれ、佐藤氏ならではの均衡の取れた味わいはたちまち日本のワインラヴァ―を魅了しています。

セラー内にある佐藤氏の手書きで書かれたファミリー感を感じる一コマ
佐藤 圭史氏が手掛ける『Keiji Sato』

The Sadie Family Wines / サディ・ファミリー・ワインズ

全キュヴェを惜しみなくテイスティングさせてくれたイーベン・サディ氏

今日の南アフリカワインの筆頭として牽引するイーベン・サディ氏のワイナリーです。彼は10代の頃から15年間ヨーロッパのワイナリーで修業し、南アフリカに戻った後は『スパイス・ルート・ワインズ』で醸造責任者を勤めました。その後1998年にスワートランドに自身のワイナリーを設立。翌年の1999年に古樹による低収量ブドウから造る混醸の白ワイン「パラディウス」と赤ワイン「コルメラ」の2つのキュヴェを発表しました。これらのボトルには、まるで南アフリカの大自然を体感できるかのような圧倒的なスケール感が表現されており、彼は瞬く間に注目を浴び、一躍時の人となりました。それ以来、南アフリカにおいて最も革新的でインスピレーションに溢れるワインメーカーとして常に最高の評価を得続けており、南アフリカ不動のトップ生産者として君臨しています。Tim Atkin MW選出の初代”Winery of the Year”で、再度2022年版でも選出されており、格付けは毎年1級です。『プラッターズ・ワイン・ガイド 2015』でも”Winery of the Year”に選出。

現在、新しいワイナリー設備を増設中でした。もはやシャトー(お城)と呼ぶに相応しい佇まいになること間違いなしです!!地位を確立してもあくなき探究心は尽きることはなく、常に進化を求めている姿勢には脱帽しました。

Craven Wines / クラヴァン・ワインズ

両サイドにミック・クラヴァン氏と奥様
まさに美男美女の仲睦まじいお二人でした
タップワイン用の容器

オーストラリアで生まれ育ったミック・クラヴァン氏が2014年に立ち上げたドメーヌです。南アフリカの前衛的なワインを造り出す若いワイン生産者のひとり。同世代の生産者達と自然に対してのリスペクトを掲げ、その年のブドウの出来に合わせた製法を施し、ユニークで唯一無二なワイン造りをしています。全てが低アルコール(11〜12%程度)で飲み心地の良い綺麗な味わい。奥様も別のワイナリーにて醸造長をしており、ワインへの飽くなき追求は底知れない大注目のホープです。

ピュアな味わいでアルコール度数も程よいので、フードライクかつ飲み疲れのしないワインのラインナップ。お二人の雰囲気やセンスがワインの味わい、ボトルに反映されているようなワイナリーです。海外では徐々に取り入れられているタップワイン用のワインも輸出していました。主にイギリスへの輸出が多いようですが、今後は日本でも見られるようになってほしいですね…最初の1杯から最後まで新鮮なワインを楽しめますし、SDGSの観点からも使いまわせてエコです。そして、スパークリングワインからスティルワインまで用途も幅広いなど…タップワインの魅力も教えてくれました。

Kruger Family Wines / クルーガー・ファミリー・ワインズ

包み込むような包容力があるヨハン・クルーガー氏
見た目とは裏腹に繊細なワイン造りが特徴的
ブライ(BBQ)で使う炭まで自ら作るこだわり用

「ステルハイス」の当主、ヨハン・クルーガー氏が自身で持つワイナリーで、アッパー・へメル・アン・アードに畑を持つ知人の畑のブドウを用いてワイン造りを行っており、フランスワインを尊重するヨハンならではのエレガントなワインを生み出しています。国内外での評価も非常に高く、Tim Atkin MW, SA Special Report では Cru Bourgeois に格付けされています。

今回は総数にして100種類以上ワインを飲みましたが、個人的な『BEST WINE』はヨハン氏が造るワインでした。まだ入荷はしていませんが、いつか紹介できる日を楽しみにしています♪ヨハン氏は大のブルゴーニュワイン好きです。自宅のワインセラーを拝見しましたが、南アフリカワインとブルゴーニュワインがズラリと並んでいました。なので、ブルゴーニュワインラヴァーにオススメしたいワインでもあります。このクルーガーのワインがこの価格で購入できるのは信濃屋だけです♪次にご紹介するときには3,000円台は必ず乗ってくるので本当に今が買いの1本です!!

Van Loggerenberg / ファン・ロッゲレンベルグ

パールに本拠地を置く、若き当主ルーカス・ファン・ロッゲレンベルグ氏によるワイナリーで、初リリースは2016年ですが、早くも2018年にTim Atkin MW, SA Special Report で “Young Winemager of the Year” に選出され、2級に格付けされていましたが、遂に2022年版で最上級の1級に格上げされ大きな注目を集めている超実力派の生産者です。「僕はワインメーカーというよりはファーマーだ」と自称しており、ワインの品質は畑に由来するという信念を持ち、畑作業に人一倍心血を注ぎ、醸造過程では酵母などの添加物は一切加えない潔さで唯一無二のワインを生み出しています。

天才肌という言葉がしっくりくるロッゲレンベルグ氏。まだ開業から10年経たずに一気にスターダムへ駆け上がってきました。しかも設備的にも発展途上にあるので、1番伸びしろを感じた生産者でもあります。これからも目が離せません。

Kleine Zalze Wines / クライン・ザルゼ・ワインズ

現当主のバッソン氏

ステレンボッシュに自社レストラン及びホテルを併設している家族経営のワイナリーです。昔ながらの製法を用いて人的介入を最小限に抑えて生み出されるワインは、格別のバランスに仕上がっており、国内外で非常に高い評価を受けています。Tim Atkin MW, SA Special Report 2021では “Cru Bourgeois” に格付けされており「プラッターズ・ワイン・ガイド 2020」では「ワイナリー・オブ・ザ・イヤー」に選出されています。

今回の出張では5泊中2泊をこちらで過ごしました。自社レストラン及びホテル・ゴルフ場が広大な土地に設備されており大自然の中、快適な時間を過ごさせていただきました。これでも南アフリカのワイナリー規模的には中型ワイナリーになるそうです。小規模ワイナリーのようなこだわりが詰まり、大規模のようなデイリーワインから幅広いラインナップを揃えており、どこから攻めても崩せない。そんな盤石なワイン造りの基盤を感じることができました。

コーヒー豆のような容姿からコーヒークリップと呼ばれる石が多い風化した頁岩質土壌
ゴルフ場に隣接している宿泊したホテル

最終章へ続く…

紹介したい生産者が多すぎて2回で終わりませんでした(笑)次回がワイナリー訪問記-南アフリカ出張編-最終章になります!!もう1回だけお付き合いください♪それでは、最終章へつづく…次回は9月10日(日)正午にアップします。お楽しみに…

魅力溢れる南アフリカのワイン特集

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