貴腐ワインについて@ワイン館 川上
皆様初めまして！ワイン館でワインと和酒を担当している川上と申します。
料理人、ソムリエ、ワイン用ブドウ栽培を経験して昨年よりこちらの信濃屋でお世話になっております。今回は初めてこちらのブログを担当させていただきます。どうぞよろしくお願い致します！
甘党所属のワイン担当
この業界に入るまではワインといっても地元宮崎の都農ワインが造るキャンベル・アーリーのやや甘口のワインが大好きでそればっかりよく飲んでいたのですが、最近は舌が肥えてしまったせいか貴腐ワインやアイスワインをナイトキャップに飲んでます。（高いのは普段飲んでおりません泣）
私自身、甘党なのもあって世界各国の甘口ワインは一通り飲んだりもしました。しかし一口に甘口のワインといっても様々なスタイルのワインが存在します。
その中でも特にお勧めしたいのが、甘口ワインの中でも特に手間のかかる製法で作られる王道の甘口貴腐ワインをご紹介したいと思います。
貴腐ワインとは
貴腐ワインは、特殊な気候条件により「貴腐ブドウ」というブドウに貴腐菌と呼ばれる菌が付着し、ブドウの果皮に小さな穴を空けそこから水分が蒸発することによってブドウの糖分やエキスが凝縮した干しブドウ状態のものを原料としてワインを造る製法です。
この貴腐化したブドウは房が丸ごと変化するわけではないので、貴腐化したブドウを一粒ずつ手作業で収穫しワインを醸造します。フランス・ソーテルヌ地方にはその貴腐化したブドウを選果する熟練の収穫者がいるほどです。その結果、造られるワインも1本のブドウ樹からグラス1杯程と非常に低収量になります。
貴腐ワインと食事の相性
貴腐ワインは基本的にはデザートやフルーツなどの甘味と合わせて召し上がることの多いワインです。
フランス料理では「フォアグラのソテー」と合わせて提供されます。フォワグラの脂の甘みはワインの濃厚な甘みと非常に相性がよく最高のマリアージュと言えると思います。
また、チーズですと塩気の強いブルーチースにはちみつをかけて食べるように、貴腐ワインで強い塩味をまろやかにし甘味の強い貴腐ワインを組み合わせることで、クセの強さの中にあるクリーミーな味わいを広げることができます。
震えるほど感動した貴腐ワイン
20代前半、まだまだソムリエとして未熟だった時に1度飲ませて頂き今でも忘れられない感動を与えてくれた貴腐ワインがあります。世界最高峰の甘口のワインというだけあって、その香り・味わい・余韻が長い時間続き、甘党の欲求を満たしてくれる最高のワインでした。
最後に…
今回はフランスのソーテルヌ地区にフォーカスを当てて紹介させて頂きましたが、世界三大貴腐ワインの【トロッケンベーレンアウスレーゼ<ドイツ>】や【トカイ・アスー<ハンガリー>】更には、凍ったブドウを使って造る【アイスワイン<カナダ>】収穫したブドウを陰干しにして造る【ストローワイン】など様々な甘口ワインが世界中にはあります。普段は辛口ワインしか飲まないという方も、ぜひ一度、甘口ワインの楽しみを広げてみてはいかがでしょうか。
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