Shinanoya food & liquor

ウィスキー・ハードリカー・ワイン・こだわりの食品の情報をお届けします。

山梨のワイナリーで畑作業体験してきました @銀座店 尾形

2025.07.06

今回のブログ担当者は

はじめまして。銀座店の尾形です。ワインの魅力にはまり、フランスへワイン留学をしにいった経験があります。今回は6月に山梨県甲州市勝沼町の白百合醸造さんで傘かけ作業をさせていただいたのでその模様をご覧ください。

白百合醸造について

白百合醸造は1938年(昭和13年)創業の家族経営のワイナリーです。国内外で高い評価を受け、特に甲州を使ったワインが世界的に認められて2021年にはデキャンタワールドワインコンクールでプラチナ賞を受賞し、アジア最高得点も獲得したワイナリーです。

【栽培している品種】

白ブドウ:甲州、シャルドネ、デラウェア

黒ブドウ:マスカット・ベーリーA、プティ・ヴェルド、メルロ、アジロンダック

その他試験用品種:アルバリーニョ、サンジョヴェーゼ、ネッビオーロ、バルべーラ、山幸、アリカント、テンプラニーリョ、ムールヴェードル等

ワイン生産量:20万本/年

ワインの種類:スパークリングワイン、スティルワイン(赤・白・ロゼ)グラッパ、ジュース

畑の所有面積:3.5ha

2025年ヴィンテージについて

ブドウ栽培の責任者である石場さんから話を伺いました。冬(2024年)は乾燥し降雨量が少なかった影響で、年明け剪定している際に幹が割れてしまうものもありました。萌芽の時期は例年通りで、5月は病気対策で消毒する時期でしたが、今のところカビや細菌による症状がでていないので、植物も実もいい状態。梅雨の短さや6月の異例の暑さですが、葉が焼ける被害まではでていないので潅水でコントロールできるので今のところ問題はないということです。このまま病気もせず健康な実を実ることを祈るばかりです。

傘かけとは

ブドウを作る際の日本独自の作業です。梅雨の時期の湿気でカビが繁殖し、病気になることはしばしばあります。ブドウの房を雨から守るためにパラフィン紙でできた傘をかけます。紙に切り込みがはいっているのでブドウの梗に通して紙が重なった部分をホチキスで留めます。 車輪付きの工具箱に座り横に移動して傘かけをすすめていきます。

今回作業させていただいたメルロ畑

今回作業をさせていただいたメルロの畑はワイナリーから徒歩10分のところにあります。2021年に植えた畑で3.91a(391㎡)あります。南向きで風通しがよく、日差しもあたる良い立地にあります。垣根仕立でコルドンです。

1新梢1房にしています。収穫するとル・モン赤やトリオというブレンドワインに使用されるブドウです。

ワイン製造の統括 執行役員 石川資さんにお話をお伺いしました

<醸造家として>

契約農家さんのブドウも自園のブドウも質の良いものをつくり育てているので、その努力を無駄にしないように醸造しています。

<役員として>

これまでは低価格〜中価格でお買い求めしやすい価格で、みんなの飲みやすいと思うワインを種類多く作っていたが味わいや金額が似たような商品が多数ありましたが、2022年あたりから契約農家さんのブドウと自園のブドウを分けて醸造する方針になり、低価格、中価格、高価格とカデゴライズを行いました。自社畑の甲州100%の甲州Vigne de Shirayuri、MBA Vigne de Shirayuriなど10,000円台価格帯もあり、色々なワインの中からお客様の好みのものがきっと見つかると思います。

<白百合醸造のこだわり>

料理に寄り添うワインを造っています。白百合醸造の売店に陳列されているワインのコメントにも食べ合わせにおすすめなお料理を説明に入れるようにしています。

私(尾形)も試飲していて食べ合わせに力を入れているのを感じました。売店のスタッフの方々がPOPに書いてあるコメント以外にも、ご自身で試して美味しかった組み合わせを教えてくれるので、いつも購入するとその食べ合わせを試してみたくなります。

白百合醸造のおすすめワイン

まず飲んで

ル・モン 白・赤                 白百合醸造

価格:1,870円(税込)

日本ワインを楽しむなら

白百合醸造フラグシップワイン

勝沼甲州2023

価格:3,300円(税込)

極上を楽しみたい

甲州 Vigne de Shirayuri

MBA Vigne de Shirayuri

価格:11,000円(税込)

※ワイナリー店頭で販売

作業した感想

ワイナリーにお伺いした時は、ちょうど梅雨の時期に入っており、作業ができるか不安なまま山梨へ向かいました。到着した時には、雨はあがり9:30~14:30まで4時間作業をさせていただきました。垣根仕立は、棚仕立とは異なり日差しを遮る葉がないので曇っている今日みたいな日にはちょうどいいとお聞きました。私はラッキーでしたが、雨の日でも、暑い日でもこの作業をすることを考えると、過酷な作業だと思いました。梅雨のある日本でワインをつくるのが難しいとされていましたが、一房一房の傘かけなどの手間を惜しまず、土地や自然環境への対策をすることで、日本ワインが大きく発展していくのだと感じました。金額が高いから選びにくく感じていましたが、ワイナリーの方々の努力を考えながら、いろいろ飲んでいきたいなと思いました。

おまけ

お昼休憩中に売店におじゃますると新商品がありました。

ロリアン初の酒精強化ワイン

「ヴァン・ドゥ・ナチュレル 2013 (赤・甘口)」     数量限定 ¥11,000(税込)

2013年に収穫したマスカットベーリーAをタンクに入れて発酵途中で古樽に移し、グラッパ(内田葡萄焼酒ベーリーA)を加えて発酵を止めます。

樽の中で目減りする分に補酒せず、そのまま熟成させました。樽からお酒を出す時には、樽の2/3近くまで減っていたそうです。樽の中で産膜酵母が発生することにより、究極の酸化熟成が感じられる一品です。

樽で11年間熟成させたマスカット・ベーリーAだけではなく、グラッパまで造って、生み出された日本のVDN(ヴァン・ドゥ・ナチュレル)はなかなかないと思います。

この珍しく、美味しいヴァン・ドゥ・ナチュレル(VDN)は残念な弊社ではお取り扱いがありませんが、気になった方は是非現地に足を運んで、ワイナリーの売店でお買い求めください。

アルコールの高さと甘さでエネルギーチャージができたので、休憩後の作業はサクサクすすみました。

最後に

白百合醸造のみなさん、短い時間でしたが作業する機会を下さり、貴重なお話をしてくださりありがとうございました。

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