Shinanoya food & liquor

ウィスキー・ハードリカー・ワイン・こだわりの食品の情報をお届けします。

山田養蜂場食の探求セミナー

食の探求セミナー「ミツバチのことどこまでご存じですか?」@代田食品館 平瀬

2025.05.02

今回のブログ担当者は…?

はじめまして!信濃屋のスーパーマーケット部門の平瀬です。3月22日にcask併設レストラン「W」にて開催された食の探求セミナー『ミツバチのことどこまでご存じですか』に参加してきました。

「山田養蜂場」という社名を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?はちみつを作っているだけの会社と思っていたら大間違い!はちみつへのこだわりはもちろんのこと、ミツバチを通じて見える社会性や、自然環境との調和を考えている企業なのです。 セミナーを通じてあらためて環境と人や社会の営みについて考えさせられました。そして聞き終わった後に心が温かくなる、人に優しくなれるセミナーだったと感じています。皆様にも優しい気持ちが伝わるようにレポートできれば幸いです。  

食の探求セミナーについて

食の探求セミナーとは、学びと発見を通じて食べることに向き合い食の本質を知っていただく場としてスタートしたイベントです。信濃屋がその道のプロフェッショナルをお迎えしご講演いただきます。その後、講演で取り上げられた食材を使った特別なランチコースをお楽しみいただくという内容です。毎回定員50名様のお席は満席で、大変ご好評頂いております。

山田養蜂場 顧問 藤善博人氏

1980年代に有機樹木農業を志してブラジルに移住し農業工業高校の講師を務められました。日本に帰国後は山田養蜂場で広報および社会活動を担当し「はちみつおじさん」の愛称でミツバチ教室の講師や植樹活動などの立ち上げに関わり、現在はご自宅で養蜂をしながら、技術アドバイザーとして後進の指導にあたっていらっしゃいます。セミナー開始前に少しお話しさせていただきましたが、とっても穏やかな話し方と雰囲気。もしかしてミツバチに対する熱い想いと、この暖かな気持ちが山田養蜂場のはちみつの隠れた美味しさの秘密では?と感じました。

はちみつスペシャルランチの紹介

まずははちみつ食べ比べ

上から時計回りに、ローヤルゼリー(貴重で希少!)・ボダイジュ・ローズマリー・とち・そば・レモン・クローバー・アカシア。

違う花から採れたはちみつの食べ比べからスタート。こんなにじっくりはちみつと向きあったのも人生初めての経験。講師の藤善さんから「生のローヤルゼリーは最後に」と言われたのですが、その理由も食べてみて納得!なんと言うか…凄いパワーです!命のエキス!

ローヤルゼリーは女王蜂のみが食べ続けるいわば特別食。ローヤルゼリーを摂取することで、女王蜂は働き蜂に比べて体長が2〜3倍になり、寿命も30〜40倍になります。ひとくちだけでその理由が分かるようなパワーを感じました。これだけの純度のものを提供していただけるのは、さすがとしか言いようがありません。 

個人的には甘さの中にほろ苦さもあってコーヒーキャンディのような味わいの「そば」のはちみつがとっても好みでした。

はちみつと前菜のマリージュ 素材の良さが引き立ちます

レバーパテと巣蜜・チーズムースとローズマリーハチミツ・蒸し鶏の生春巻き ボダイジュはちみつ

ハチミツをソースとして考えた時に、こんな素晴らしい組み合わせはないんじゃないかと思わせる味わい。それぞれのお料理や素材をすべて覆ってしまうのではなく、シルクのヴェールのように優しく素材に寄り添ってくれます。そして、花を思わせる柔らかな香りがお料理をぐっと引き立たせてくれるのです。難しく考えずに、いろんなお料理にはちみつが使える可能性に気づかされました!

私には生産地の景色がありありと目に浮かびました

丹波赤鶏のソテー ~クローバーのはちみつと生姜のソース~

鶏肉には定番のシンプルなハニージンジャーソース。あなどるなかれ!素材にこだわっているからこそ生まれる高い次元での相乗効果。とにかくシンプルに美味しいって思える、そしてちょっと自分でも作れちゃうかも?と思わせる料理を提案してくれるあたりに、シェフのセンスと心遣いを感じます。(でもやっぱり同じようには作れないんですけどね…)

私は仕事の関係でこの丹波赤鶏の生産地を訪れたことがあるのですが、その自然に囲まれた風景がふっと思い出されるような、まるで爽やかな風が吹くような、そんな一皿でした。

「ミツバチとはちみつのお話」学びと発見

ミツバチのこと、はちみつのこと、詳しいことは色々と調べられる時代ですので、ここでは表面的な内容は省略します。

(ただ一つ…働きバチは全員メスで、オスは何もできないそうです…あー、耳が痛い…)

そしてここで言わせてください!

実際に生産者を目の前にして自分が体験して感じることができる、それがまさにこのセミナーの最大の特徴です。知識じゃなくて心が動くセミナーなんです!

だからもう、ミツバチだけの話じゃないんですよもぉ~~~

山田養蜂場が大切にしていること。

『我々は自社のルーツである養蜂業を通じ、ミツバチの「自然との調和の姿」に触れることができた。その姿から「自然環境の大切さ」を知り、謙虚に学ぶことが、我々の企業活動の規範である。』

お話を通じて根底に流れている想いだと感じました。企業という存在は経済的な成長が優先され、時に自然とのバランスを崩し、自然からたくさんのものを奪ってきたのかもしれません。昨今の異常気象、災害を考えると今一度私達も成長を必要とする経済の在り方について考えてみる必要があるのかもしれません。その中で企業としていかに自然環境と共生しながら、社会に貢献できるかを考えていらっしゃる姿勢に感銘を受けました。

ミツバチと人間の社会性

『我々は、まさにミツバチのように「勤勉」に「創造的」に自分達の持ちうる限りの知恵と力を結集して「自然の恵み」を人間社会における最大の価値である「心身の健康」に、広く役立てることを使命とする。』

ミツバチは花から蜜を採りながら、花のために花粉を運びます。ミツバチと植物が相利共生関係の中で生きているという事です。また女王蜂を育てることにも、協力し合って取り組んでいるのです。ですからミツバチは社会性を持つ生物と言われています。そして人間もまたこの社会性を持ちながら、日々の生活を営んでいます。

「社会性を持つということは他者のために尽くすことで幸せを感じられる生き物」という藤善さんのお言葉に私、とてもとても感動してしまいましたっ!

ミツバチの生態系を通じて自分たちの生活の在り方、お互いが助け合っていく世界の素晴らしさをしみじみと感じました。そして私たち人間もそれができるということ。仕事でもプライベートでも、人に優しく、人を大切に。そうありたいと心から思わせてもらえた時間でした。

最後までお読みいただきありがとうございました!

さいごに・・・

信濃屋では「食・酒の探求セミナー」を cask / W TORANOMON にて定期的に開催しています。ご案内は信濃屋コーポレートサイト内のニュース・イベント情報にてご確認いただけます。セミナー開催中、お食事と共に気になるワインをセラーから自由にお選びいただき、BYOスタイルで気軽にお楽しみいただけます。気に入ったワインはそのまま購入も可能です。当イベントは一般の方から業界の方まで、どなたでもご参加いただけますのでご興味がありましたらご予約をお願い致します。皆様のご参加を心よりお待ちしています。

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