Shinanoya food & liquor

ウィスキー・ハードリカー・ワイン・こだわりの食品の情報をお届けします。

フランスの熟成ワイン勉強会~土浦鈴木屋~@ネット店 升田

2023.03.31

今回のブログ担当者は…?

こんにちは。ネット店の升田でございます

今回は3月23日に信濃屋のワイン担当メンバーで参加してきました『熟成ワイン勉強会』の様子をお伝えしていきたいと思います。

勉強会のテーマは…?

このワイン会のテーマは…ワインの大きな魅力の一つ【熟成】に注目した勉強会でした。
世の中に出回っているワインの大半は、これから熟成の階段を登っていく過程のワインが多く、熟成の頂点にたどり着いたワインを飲む機会は減ってきていると感じます。
【熟成】はワインを愉しむうえで、とても魅力のある要素の一つです。どのような時間を経て、どのような熟成を辿ってきたか…そんな”瞬間(トキ)”を愉しむ熟成ワインの世界にご案内します。

土浦鈴木屋とは…?

日本一のレンコンの名産地、茨城県の土浦市に土浦鈴木屋はあります。土浦鈴木屋は、フランスやイタリアワインの品揃えは国内屈指。ワインラヴァーの皆様は是非、一度は訪れてほしいワインの名店です。

私も当日は早くに到着できたので、時間の限り拝見しましたが圧巻の一言…都内にあったら大変な反響があるであろう、とても魅力のあるワインショップです。私の感覚的に…バスケットコートほどの店内にはところ狭しとワインがズラリ…チラッと見ると『えっ!?』と思うようなワインが普通に置いてあります(笑)ここを話してしまうと長くなり、本題からも逸れてしまうので割愛!!ご自身の目で是非とも体験してほしいです。

店内の様子①
店内の様子②
店内の様子③

この他にも巨大な自社倉庫を所有しております。店内同様にしっかりと温度管理されたセンターのような巨大な倉庫には飲み頃を迎えるために眠っているワインが、光を浴びるのを待ちわびています。このことからも、土浦鈴木屋はワイン業界においても有難く、貴重で唯一無二の存在です。

弊社と同様に自社輸入を行っており、20年以上の実績を持っております。その徹底した温度管理で素晴らしいワインの数々を輸入しております。創業からは50年を過ぎており、その品質は有名レストランや我々のような小売店まで絶大な信頼を得ている知る人ぞ知る専門店です。

※参考画像

鈴木屋直輸入ワインのラベル

信濃屋で店頭購入をされているお客様やネット店をご利用いただいている皆様は、もしかしたら去年からそのワインに出会っているかもしれません。熟成したワインの裏ラベル(輸入代理店)に、その名前を見つけることができます。実は…この鈴木屋からワインを購入することが出来るお店は限られており、都内で目にすることはあまり無いかもしれません。『鈴木屋=品質の証明』と思っていただいても過言ではありません。

勉強会の様子

勉強会はブラインドテイスティング※1で白3種類・赤3種類をご提供いただきました。今回は土浦鈴木屋の代表取締役である鈴木 恵一さんに直接ご教授いただきました。恵一さんが、土浦鈴木屋で開催している定期試飲会も毎回好評を得ており、不定期ではありますが有名ワインスクール『アカデミー・デュ・ヴァン』でも熟成ワインに関して教壇に立っています。土浦鈴木屋の先代も業界では著名な方でしたが、まだまだ若くに他界。その後、受け継いだ恵一さんも、ワインの英才教育を受けておりその経験値と知識は、実体験をもとに話してくださるので、頭にスっと入ってきます。そして人柄もとても優しいので、勉強会も楽しみながら満喫することが出来ました♪

※1 ブラインドテイスティングとは…実際に目隠しをするのではなく、何の情報も与えられない状態でワインを試飲して、そのワインが持つ特徴から品種・産地・収穫年などを推測する試飲のこと。

白ワイン銘柄

サン・ジョセフ・ブラン サン・ピエール 2003年/イヴ・キュイユロン

産地:フランス/ローヌ/サン・ジョセフ 品種:マルサンヌ/ルーサンヌ

②ヴーヴレイ・ドゥミセック 1986年/ユグ・ピノン

産地:フランス/ロワール/ヴーヴレイ 品種:シュナン・ブラン

プイィ・フュイッセ  ジュリエッタ・デ・グランデ 1998年/ドメーヌ・コルディエ

産地:フランス/ブルゴーニュ/マコネ 品種:シャルドネ

左から銘柄①→②→③
左から銘柄①→②→③

一つ一つテイスティングコメントを挙げていくとかなり長文になってしまうので割愛します。ブラインドテイスティングは銘柄や産地、品種を当てることが目的ではありません。コンテストや試験ではその要素も含みますが…我々のテイスティングでは、純粋に目の前のワインと向き合うことが目的です。

情報が与えられると必ず先入観が入ってしまうので、情報に沿った要素を拾いがちです。逆にブラインドテイスティングでは、ワインの外観・香り・味わいを元にワインを探るため純粋にワインと向き合うことができます。

実際のテイスティング写真からも分かるように外観から熟成具合が見て取れますね。土浦鈴木屋のワインは状態が良すぎるので、1986年のヴーヴレイを飲んだ時、誰一人1980年代とは思えなかったです(笑)

熟成による外観の変化

いずれも抜群の状態で素晴らしく美味しかったです。好き好きは個人差がありますが…弊社のスタッフが帰りがけに購入していたワインの一番人気は『ヴーヴレイ・ドゥミセック 1986年/ユグ・ピノン』でした(笑)これこそ先入観の例ですが…銘柄をみせて金額は同一という条件で、どれが欲しいかを聞くとすると…多分ですが、一番手が挙がらないのがヴーヴレイだと思います。体験をすることの大切さを実感した瞬間でした。

赤ワイン銘柄

コート・ロティ 1999年/ロベール・ニエロ

産地:フランス/ローヌ/コート・ロティ 品種:シラー/ヴィオニエ

②ニュイ・サン・ジョルジュ プルミエ・クリュ レ・サンジョルジュ 1997年/ドミニク・ローラン

産地:フランス/ブルゴーニュ/ニュイ・サン・ジョルジュ 品種:ピノ・ノワール

シャトー・タルボ 1989年

産地:フランス/ボルドー/サン・ジュリアン 品種:カベルネソーヴィニヨン 66%/メルロ 29%/プティ・ヴェルド 5%

左から銘柄①→②→③
左から銘柄①→②→③

あまりワインを飲まないけど熟成ワインを飲みたい方には、個人的には赤ワインがおススメです!!理由としては、白ワインは好みが極端に分かれてしまう可能性が高いです。但し、赤ワインは若いワインの延長線上に熟成が進んでいくので、予想の範囲内で味わいが落ち着くので赤ワインが好きな方は好みの範囲内に収まると私は思います。

写真ではあまり分からないかもですが…グラスを傾けると液体の縁にあたる部分をエッジと呼びます。そこの色調が下の図のように変化していきます。特に1997年のニュイ・サン・ジョルジュは、エッジの色調からも顕著に熟成が表れていました。

熟成による外観の変化

香りに熟成感を感じたのは、コート・ロティでした。熟成から腐葉土を思わせる香りが特徴的でした。分かり易く説明すると土っぽい香りですかね…

熟成ワインは長い間、酸素に触れていないので還元状態にあります。開けた段階で『んっ!?』と感じても、デキャンタージュを行うことで香りが開くことがあります。そのため、開けてすぐに判断をするのではなく変化を愉しんでみてください。

最後に…

ワインを愉しむ魅力の一つ【熟成】に関する試飲会の様子でした。我々販売員も日々勉強や体験をして、お客様にリアルで活きた情報を共有する為に日々精進しております!!

ただ、試飲会からの様子からも分かるように、熟成ワインは飲む側の理解も必要なワインです。写真のように長期熟成したワインはコルクが痛んでいるので、熟練者でも抜栓には苦労します。

そして、ワインによってはラベルがボロボロだったりするのも珍しくありません。土浦鈴木屋でも、ラベル状態が良いものを厳選しているようですが、ワインによっては状態が良いが、ラベルが損傷してるというのはあるようです。

人間同様に外見ではなく、内面。そして、出生ではなく育ちが大事という面でもとても魅力のあるのが【熟成ワイン】だというように思えます。私も個人セラーに今後20年熟成をさせたいワインを保管しておりますが、20年後良い状態で抜栓できるかは開けるその時まで分かりません。

ただ、特別な想いで20年間大事に保管したワインを『まずい』の一言で片づけたりすることは無いと断言できます。熟成ワインには完璧な状態もあれば、不完全な状態のワインも事実あります。

そんなワインに出会ったときにどう思うかもまた、その人の熟成具合が試されるのではないかと私は思います。そして、そんな魅力ある熟成した大人になっていきたいと思います(笑)

これからも熟成したワインを試しながら随時、入荷をしていきます。是非、信濃屋実店舗でも熟成ワインを体験したい方や、思い出のヴィンテージをお探しなどがありましたらお気軽にご相談ください♪

今回の勉強会でテイスティングした全銘柄

信濃屋ネット店で購入可能な土浦鈴木屋の熟成ワイン

グロ・フレール・エ・スール
クロ・ヴージョ・グラン・クリュ[2010]
ドメーヌ・イヴ・キュイユロン
サン・ジョセフ レ・セリーヌ[2003]
ドメーヌ・イヴ・キュイユロン
コンドリュー レ・シャイエ[2010]
レ・マッキオーレ
パレオ・ロッソ[2003]
レ・マッキオーレ
マッキオーレ・ロッソ[2000]
レ・マッキオーレ
マッキオーレ・ロッソ[2001]

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