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ワインのアルコール度数について@銀座店 出口

2024.03.02

今回のブログ担当者は…?

今回ブログを担当させていただきます、銀座店の出口です今回は、ワインのアルコール度数に着目してみたいと思います。

ワインの平均的なアルコール度数とは

2000年に厚生省(現・厚生労働省)が策定した国の総合的な健康政策「健康日本21(アルコール)」によると、ワインのアルコール度数の目安は「12%」とされています。これはあくまで目安であって平均値とは異なり、実際には様々なアルコール度数のワインが存在します。料理に合わせて楽しむのが前提の辛口ワインに限定しても、概ね10%~15%程度とかなりの幅があることがわかります。

お酒の種類ビール
(中瓶1本500ml)
清酒
(1合180ml)
ウイスキー・ブランデー
(ダブル60ml)
焼酎(35度)
(1合180ml)
ワイン
(1杯120ml)
アルコール度数5%15%43%35%12%
純アルコール量20g22g20g50g12g
※厚生労働省飲酒ガイドライン『節度ある適切な飲酒』より抜粋

ワインのアルコール度数が味わいに与える影響

私たちソムリエがワインのテイスティングをするにあたって、アルコール度数は味わいの最終的な印象を決定づけると言っても過言ではない、かなり重要な要素だと思います。同じブドウ品種のワインを複数種類比較テイスティングしたとして、それぞれのアルコール度数が1%違うだけで、少し味わいの印象は変わります。ざっくりではありますが、アルコール度数が低ければ繊細で飲みやすく、アルコール度数が高ければボリューム感があり飲みごたえがあるワインになる傾向となります。

アルコール度数に影響する要素

  • ブドウの糖度

ワインは、原料のブドウに含まれる糖分が発酵してアルコールに変化する「アルコール発酵」によって作られます。そのため、一般的に糖度の高いブドウから作られたワインはアルコール度数が高くなり、糖度の低いブドウから作られたワインはアルコール度数が低くなる傾向があります。

  • ブドウ品種

ワイン用に用いられるブドウには様々な品種があり、ブドウ品種によって糖度がそれぞれ異なるため、ワインとなった際のアルコール度数にも違いが出ます。

  • 産地

同じブドウ品種でも温暖で日照時間が長い産地のワインはアルコール度数が高くなり、冷涼で日照時間が短い産地のワインはアルコール度数が低くなる傾向となります。

  • ブドウの成熟度

同じ産地、同じ作り手の同銘柄のワインでも、ブドウの収穫年(ヴィンテージ)によってアルコール度数が異なることがあります。年によって天候が異なるので、収穫時のブドウの成熟度にも違いが生まれ、その糖度の差がアルコール度数に影響するためです。収穫時期を遅らせることで、ブドウの糖度が上がるのを待つケースもあります。

  • 醸造方法

赤ワインと白ワインの醸造方法の違いも、アルコール度数に影響する要素の一つです。赤ワインは発酵を糖分が完全にアルコールに変化するまで行うため、アルコール度数が高くなりやすく、白ワインは製造途中で発酵をストップさせ糖分を残すものが多いことから、赤ワインよりもアルコール度数が低くなる傾向となります。

さいごに…

皆様が店頭でワインを選ぶ際の基準は人それぞれだと思いますが、好みのワイン銘柄や産地、ブドウ品種を重視して選ばれる方が多いのではないでしょうか?どのワインでも「アルコール度数」はラベルのどこかに記載があります。好みのワインのアルコール度数がどれくらいなのか?を知っておけば、いつもと違うワインを探したい時にも助けになると思います。

3月は春の訪れと共に、新しい始まりの準備を整える季節ですね。ワインを飲みなれている方だけでなく、ワインライフを今年からスタートしてみたいと考えている方にも、より良いワインライフのためアルコール度数に少しだけ着目してみることをおすすめいたします。

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