Shinanoya food & liquor

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サンセールを代表するアンリ・ブルジョワ 70年のワイン造りを体感@バイヤー 加藤

2024.08.01

こんにちは。バイヤーの加藤です。何を書こうか悩みましたが、個人的に好きな生産者の来日イベントがありましたのでその様子をレポートします♪

サンセールを代表する生産者アンリ・ブルジョワの当主、ジャン・マリー・ブルジョワ氏(写真右)が、ヴィニュロン生活70周年で息子のアルノー氏(写真左)と来日。パレスホテル東京にて、改めてアンリ・ブルジョワの凄さを体感♪

数世紀にわたる歴史と、代々伝わるワイン造り

20世紀初頭にシャヴィニュールで設立された、ドメーヌ・アンリ・ブルジョワは10世代に渡るワイン生産者、ブルジョワ家の歴史的一族の情熱と努力の結晶。アンリ・ブルジョワは1.5ヘクタールの土地で始め、現在では彼の孫たちがサンセールとプイィ・フュメの間に広がる72ヘクタールの土地を栽培しています。これらのワインは、その精密さと香りの表現で国際的に認められています。

テロワール

特徴的な3種類の土壌に、サンセールのアペラシオンは広がっています。これらのテロワールは、サンセール地層断層の崩壊の結果であり、異なる時代に形成されました。最古のもはジュラ紀まで遡ります。

  • 石灰岩

シャヴィニョ―ルとサンセールの谷間に位置し、キンメリジャンやシレックスよりも古く、水はけのよい石灰岩で構成されています。石灰岩のワインは、フレッシュでフルーティな爽やかな味わいのものが多いです。

  • キンメリジャン・マール

ジュラ記後期に、この地域に海が存在した証拠であり、粘土質で貝や海洋動物の化石が豊富に含まれています。海のニュアンスを感じるヨード香のフィニッシュが特徴的な、豊かで複雑なワインが造られます。

  • シレックス

主にロワール川の川岸に位置する作業が難しい土壌で、長い間恐れられていましたが、今では希少でAOPサンセールの中でも約15%しか存在しない緊張感のある誇り高いワインを生産し、繊細でスモーキーかつミネラルな表現がされています。

ジャン・マリー氏の希少な個人コレクションを体験

Sancerre Rouge
“Grande Reserve” 1978
Sancerre Blanc
”La Bourgeoise” 1985
Sancerre Blanc
“d’Antan” 1994

蔵出しならではの抜群の状態で、素晴らしい熟成を経て驚きの連続でした…特に素晴らしかったのは、Jadisの2002。まさに、ガストロノミーワインに相応しい、在庫があれば全て買い占めたいほどの味わいでしたが、勿論蔵にも在庫がないらしい…(笑)

Jadisは熟成すると、よくトリュフの香りが表れるのですが、流石はパレスホテルといったところでしょうか、合わせた食事が「トリュフのリゾット 帆立貝のポワレ」トリュフの香りと、帆立貝の食感、全体のまろやかなテクスチャーに抜群の相性を感じさせられましたね。

Sancerre Blanc
“Jadis” 2002
トリュフのリゾット 帆立貝のポワレ

熟成した、ピノ・ノワールには「三元豚バラ肉のキャラメリゼ八角風味 キャベツのエチュベ、ジャガイモにエクラゼ」。改めてサンセールの熟成能力をみせつけられましたが、酸味もまだまだ生き生きとしており、なめらかでジューシーなテクスチャーが三元豚との相性もバッチリでした♪

Sancerre Rouge “La Bourgeoise” 1990/2010
三元豚バラ肉のキャラメリゼ八角風味

残念なのは、美味しくても状態よく熟成した古いヴィンテージを購入するのは難しいところでして、多くの方々に紹介できないのはとても残念です…若いヴィンテージを購入して、弊社倉庫で20年間熟成することができればご紹介できるのですが、なかなか気が遠くなるところですね(笑)そこで、今回のアンリ・ブルジョワではないのですが、オーストラリアのピノ・ノワールで弊社倉庫で熟成させていた特別な1本をご紹介させていただきます♪

バス・リヴァー ピノ・ノワール[2016]

多分ですが、2016年を購入できるのは日本で弊社のみかと思います。とてつもないポテンシャルを秘めた、バス・リヴァーのピノ・ノワール、まさに熟成を体感できる1本かと思います♪

これだけ猛暑が続くと、スパークリングや白ワインが飲みたくなると思いますが、少し熟成したピノ・ノワールでも楽しんでいただけたら嬉しいです。

信濃屋ワインバイヤープロフィール

鳥取県出身。ホテルオークラ東京(現TheOkuraTokyo)で当時、国内随一の人気と格式のあるフレンチレストランLaBelleEpoqueにてサービスに従事。数々の海外星付きシェフのフェアなど経験し、フランス料理の神髄とサービスマンとしての振舞いを学ぶ。

その後、丸の内再開発プロジェクトとしてOPENした、ミクニ・マルノウチにてソムリエに就任し、当時PP100点のボルドー ワインを全てオンリストするなどして話題に。そして若手ソムリエコンクール(当時25歳以下)にてファイナリストを経験。ソムリエとして更なる飛躍を目指し、当時パリ一つ星「STELLA MARIS」 の吉野建氏が東京にOPENした「tateru yoshino」のソムリエに就任。現在は、信濃屋のワインバイヤーとして、ソムリエとしての経験と世界11ヶ国のワイン生産地を訪れた現地での情報を基に、ビギナーからプロフェッショナルまで楽しめるワインショップとして業界で注目され続けている。 また人と人との出会いを大切に、オン・オフのマーケットの交流とリテールに携わる人々の社会的な向上をはかり広く社会へ貢献することをモットーに日々奮闘中。

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