Shinanoya food & liquor

ウィスキー・ハードリカー・ワイン・こだわりの食品の情報をお届けします。

ブドウ収穫体験@ネット店 升田

2024.10.12

今回のブログ担当者は…?

こんにちは!!今週のブログはネット店 升田が担当いたします♪南半球や早い産地では2023年醸造のワインも出始めてきましたね♪秋は収穫の最盛期!!そこで…今週、ワイン用ブドウの収穫体験をしてきました!!ブドウの香りが漂う空気の中で、自分の手で大切に育てられたブドウを摘み取る喜びは、言葉に尽くせないものがあります。収穫はタイミングが合わないとなかなか体験できることではありませんし、ワイン造りの最初の一歩を体験することで、栽培における苦労。それに、原料がワインに変わっていく様子を思うと親心のような気持ちになってしまいます。今回はそんな様子をお届けしつつ、来月に近づいてきましたボジョレー・ヌーヴォー2024年の現地レポートも併せて紹介します。

いざ、長野へ

訪れたのは日本でも有数のワイン産地、長野県塩尻市。今回は日帰り弾丸ブドウ収穫体験のため、早朝7時の新宿発で特急列車で塩尻駅へ向かいました。特急列車だと約2時間半。週末は高速バスも出ているので、のんびり行きたい方は高速バスもお勧めです。新宿〜塩尻までは高速バスで約3時間半程度です。現地に10時集合して、お昼休憩を含み15時半までしっかりと汗を流してきました!!

今回、収穫体験をさせていただくワイナリーはシャトー・メルシャン桔梗ヶ原ワイナリーです。シャトー・メルシャンと言えば、もはや説明不要の日本を代表する大手ワインメーカーです。キリンホールディングス傘下でもあり、生産量やラインナップも豊富なため認知度も高いかと思います。

  • シャトー・メルシャンについて

1877年にメルシャンの源流ともいえる『大日本山梨葡萄酒会社』が創立されました。1949年、国内初の本格ワイン「メルシャン」を世に送り出します。1970年に日本ファインワイン造りの幕開けとして「シャトー・メルシャン」が誕生し、2017年には「大日本山梨葡萄酒会社」が誕生した1877年から140年を迎えました。その後も、大橋 健一MWがブランドコンサルタントに就任されたり、ワインツーリズムに取り組む世界最高のワイナリーを選出する『ワールド・ベスト・ヴィンヤード2020』にて、世界第30位、およびベストアジアに選出されるなど…国内外で高い注目を集め続けています。

  • 桔梗ヶ原ワイナリーについて

桔梗ヶ原ワイナリーは、1938年に造られた歴史ある建物を利用してオープンした小さなワイナリーです。今では、日本を代表するメルロの産地として、世界から高い評価を得ているこの桔梗ヶ原。ワイナリーの中にある小さなブドウ畑、“箱庭”ヴィンヤードや、桔梗ヶ原ワイナリーならではのテイスティングなど、小規模ながらも個性あふれる魅力をお楽しみいただけます。

引用元:桔梗ヶ原ワイナリーHP 詳しくはこちら

2024年の桔梗が原ワイナリーのヴィンテージについて

今年は2023年に比べ、4月以降にとても暖かい日が続いた一方、降雨が多かったため、ブドウの成熟は思いのほか緩やかに進みました。「こういう年は、醸造家の腕の見せ所です!!」とコメントをいただきました。この後、畑に入り作業したのですが、2年連続で参加した弊社の自社輸入ワインバイヤー横山氏いわく「昨年がグレートヴィンテージだっただけに、ブドウの出来栄えは段違いだった」との感想でした。では、その収穫の様子をお届けいたします♪

ブドウ収穫体験@桔梗ヶ原ワイナリー

松本盆地の南端に位置する桔梗ヶ原ワイナリーは、奈良井川と田川に挟まれた扇状地にあり、礫層の上に火山灰層が堆積したた土壌が特徴です。そのため、連日の雨にも関わず知らなければ雨が降ったのか分からないほど、水はけが良いのを体感できました。

また、昼夜の寒暖差が大きいのでブドウ栽培に適した土地と言えます。1975年、当時はまだ珍しかったワイン用欧州系品種「メルロ」への栽培転換を「現代日本ワインの父」と言われるメルシャンの浅井昭 吾(麻井宇介)氏が決断。翌年より本格的なメルロ栽培が始まりました。1989年には「信州桔梗ヶ原メルロ1985年」が、リュブリアーナ国際ワインコンクールで大金賞を受賞。以来「桔梗ヶ原」はメルロの銘醸地として国内外にその名を知られるようになりました。

今回はそんなメルロの収穫を体験することができました。収穫する区画は桔梗ヶ原ワイナリーが所有する自社畑の中の「平出3」の区画になりました。

ちなみ…シャトー・メルシャンでは毎年、一般公募のボランティアを募集しております。時期や品種は、毎年その年の状態を見極めて行っているため「収穫ガチャ」的な楽しみがあります♪

実際に収穫を行ってみると…前述のヴィンテージ総括が体感できました。今年は全国的に雨が多かったことも記憶に新しいと思います。それは、ここ桔梗ヶ原ワイナリーも同様。そのため、例年に比べて病気やカビに浸食されているブドウが散見できました。また、同時に害虫の発生もあり収穫の段階から選果を行い健全ではないブドウを容赦なく切り捨てていきます。私だけでも蛾の幼虫を10匹以上は除去しましたので、虫が苦手な方はグレートヴィンテージ収穫をお勧めします(笑)

2つ区画が離れた先にはシャトー・メルシャンが世界に誇るアイコンワイン「シグネチャー」にも選抜される区画があります。その区画は、我々が収穫した1週間後に収穫予定だったため、まだブドウの実がなっており、その外観は「ぷりっぷり」。見た目からも品質の高さが分かる1級品でした。特別な区画のため、手入れに注力していることが、まさに結実したと言えるでしょう。

※シグネチャーとは…長い瓶熟成に耐えうるポテンシャルも持っており、さらに複雑味のあるワインへと変わることも期待できます。 まさに、シャトー・メルシャンが誇るアイコンワインです。

畑は垣根仕立て。しかも仕立てが低いため、写真のように台車(キャスター付き)に座って移動しながら、収穫を行いました。実がなる高さは「日本人平均身長の腰より下程度」と想像してもらえると良いかと思います。腰痛くなる高さですね(笑)

ヴィンテージによる違い、区画による違いを数時間で体感できた貴重な経験となりました。収穫後は、ワイナリー見学と試飲もさせていただき、まさにワイン尽くしな1日となりました…

ボジョレー・ヌーヴォー2024年 2024年8月フランス現地より

さて、ブドウの収穫となると気になるのが「ボジョレー・ヌーヴォー」。今年も現地よりボジョレー・ヌーヴォーのレポートが届いておりますので、収穫体験と一緒にご報告させていただきます♪

昨年から今年にかけての冬は、典型的なフランスの冬でした。毎年警戒している雹害は、北部ボジョレーで発生しましたが、南ボジョレーでは発生しませんでした。春から7月頃まで、これまでにないほどの多雨と低めの気温が続きました。その影響で、6月初旬から中旬にかけての開花は非常に不安定となり、過去に例を見ないほど多くのクリュール(花ぶるい)が発生しました。その結果、大部分のブドウがミルランダージュ(非常に凝縮した小粒のブドウ)となりました。ボジョレーの多くのエリアでベト病やウドンコ病が見られますが、標高が高い区画では病害が最小限に抑えられ、畑の状態は良好です。7月中旬以降、雷雨が数回発生したものの、概ね好天に恵まれました。気温が30度を超える日が数日あり、高温と湿気の影響でボジョレー全体でベト病が広がりました。しかし、8月に入り天候は大きく回復し、晴天の日が続きました。2024年の収穫解禁日は9月5日頃で、9月上旬から一斉に収穫が始まります。今年は非常に難しい年ですが、生産者たちはその分大きなやりがいを感じています。今後の天候が鍵となりますが、もしこれから収穫までの天候が良好であれば、例年をはるかに上回る品質のヌーヴォーが、ミルランダージュのブドウから造られることになるでしょう。

現地からは期待に胸が膨らむレポートが届いております♪ボジョレー・ヌーヴォーは、この季節だけの限定ワイン。私は、ボジョレー・ヌーヴォーを飲むことで「秋を体感」することができ「年末が始まるお便り」のような風流を楽しむワインでもあります。

現在、信濃屋実店舗では絶賛予約受付中です♪オンラインショップは解禁日の1ヶ月前から予約受付開始となります。是非、皆様もボジョレー・ヌーヴォーで秋を感じてみませんか?飲んだ瞬間に広がるボジョレー・ヌーヴォーの軽やかでフルーティーな味わいは、まるでブドウ畑の美しい風景を連想させてくれることになると思います♪

さいごに…

収穫を終えて…正直、疲れました。本当にへろへろです。しかし、そこは収穫だけでは終われません!!しっかりと現地レストランでの食体験も忘れてはおりません(笑)今回のブログテーマは、あくまで「収穫体験」のため、ここは画像のみで内容は割愛させていただきます。しっかりと現地の食とワインを体験させていただきました♪

塩尻駅の中にあるカフェ&バー
「アイマニ SHIOJIRI」にて
塩尻にある111VINEYARD
キュベ鼓動2022年

帰りの電車はぐっすり…否!!ほんのりと手や鼻に残るブドウの香りと、体験した特別な時間が深く印象に残っているうちにこのブログを書いております。途中途中、意識を飛ばしながら(笑)ちゃんと翌日に確認しましたが、そのまま掲載していたら誤字脱字だらけで危なかったです。

1日しか働いていないのにこの労力…改めて、ブドウを育てることへの敬意と感謝の気持ちを持ちました。この収穫体験を通じて、ワインにどれだけの労力が注がれているかを改めて実感しました。一個人、そして販売員として日常的にワインに携わっていますが、ワインを楽しむことだけではなく、収穫や醸造の段階で自然と人が密接に交わっていることを知ることで、より深くワインの魅力に触れることができました。その魅力をしっかりとお客様に伝えることが、我々には大切であると強く感じました。今回収穫したブドウがワインとなる瞬間を心待ちにして、来年も同じように収穫の季節を迎えられることを期待したいと思います♪

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