メドック2級シャトー・モンローズのアジア・太平洋マネージャーが信濃屋を訪問してくれました@ネット店 升田
こんにちは。ネット店の升田でございます今日から6月が始まりました♪ 南から梅雨の訪れが迫ってきています。ワイン造りにおいても、6月はブドウの生育時期にあたり、雨の多い日本ではブドウ栽培にとって心配な時期になります。しかしながら、農業や自然環境、そして生活において大切な雨季ですので、じめじめした季節ですが、心は晴れやかに過ごして参りましょう!!
さて、今回のブログでは…弊社にメドック2級シャトー・モンローズのアジア・太平洋マネージャーのエロディーさんが訪問し、特別セミナーを実施していただきました!!その様子をお伝えさせていただきます!!
シャトー・モンローズとは…
生産年によっては1級シャトーを凌駕する高評価を受ける、サン・テステフのテロワールを見事に表現するスーパーセカンド「シャトー・モンローズ」。その昔、丘一帯にヒースが茂っていて、春になると丘全体がピンク色に染まっていたことから『モンローズ(バラ色の丘)』という名前がつけられたと言われています。ギフトワインとしても人気があります♪
※画像 ピンク色に咲いているのがヒース
もともとシャトー・モンローズの土地はカロン・セギュールの所有者であったセギュール家のものでした。エティエンヌ・テオドール・デュムーラン氏は父の死後、セギュール家よりデュムーラン家に売却されてから忘れられている小さな土地がある事に気づき、1815年に畑を耕し樹々を植え必要な設備を整え、ワイン造りを始めたのが、シャトー・モンローズの歴史の始まりです。
そして、1855年のメドックの格付け当時、シャトーの畑の樹齢はまだ40年でしたが、既に評価は高く、格付けにて2級に選出されました。彼の死後、後継者が相続しましたが、1866年、アルザスの事業家、マテュー・ドルフィス氏に売却されます。ドルフィス氏はシャトーの改築・増築を行い、設備を近代化させ、新しい栽培・醸造技術を取り入れました。そして、モンローズを畑からワイナリーまで、当時最も素晴らしい技術を持ったシャトーへと進化させました。
伝統を守りながらも進化を続ける
2006年にフランスの建設・通信産業の大手、ブイググループのマルタン&オリヴィエ・ブイグ兄弟がシャトーを購入。2007年から2013年にかけて大掛かりな改築を行いました。最良のワインが最良の状態で造れるよう、11メートルもある大きなタンクを導入したり、環境に配慮し3000m² のソーラーパネルを設置したりしました。また、醸造工程の発酵段階で放出されるCO2を回収することによって、醸造所で使われるCO2をまかなうことにも取り組んでいます。
また、2006年から2011年はオー・ブリオンの元支配人のジャン・ベルナール・デルマス氏が社長を努め、2012年からはムートン・ロートシルトの元社長のエルヴェ・ベルラン氏が社長を務めています。現在は、マルタン・ブイグ氏の妻メリッサ・ブイグ氏がオーナーの代表の座に就いています。
シャトー・モンローズは2014年から畑の一部で有機栽培を開始し、2016年から一部ビオディナミを試験的に行っています。環境への配慮を強化し、伝統的な技術と最新技術を融合させたワイン造りを続けています。2026年のヴィンテージからはビオ認証を取得できる予定です。ボルドーの格付けシャトーの中でも95haを有する畑を100%有機栽培を実現するのは並々ならぬ努力の結晶とも言えるでしょう。
メイン画像にも登場させております貯蔵庫は、7年間の工事を経て完成した芸術としても一度は見ておきたい憧れの場所です。高さ 11メートルの天井、両サイドの壁は伝統的な石造りの貯蔵庫。湿度と温度が非常に正確に制御され、修道院のような静寂の雰囲気の中でワインは熟成の時を迎えています。
シャトー・モンローズは、その豊かな歴史と一貫した高品質のワインで知られ、今日でも世界中のワイン愛好家から高い評価を受けています。
セミナー内容
先月のブログにもありましたが…弊社ワインチームで4月22日~25日まで行われた「ボルドープリムール2023」にて、シャトー・モンローズを現地で飲んでおりましたが、今回はアジア・太平洋マネージャーのエロディーさんがシャトー・モンローズの歴史や栽培・醸造・ヴィンテージの特徴なども説明してくれました。
テイスティング銘柄
- シャトー・トロンコワ・ラランド[2018]
- ラ・ダム・ド・モンローズ[2019]
- ラ・ダム・ド・モンローズ[2020]
- シャトー・モンローズ [2017]
シャトー・トロンコワ・ラランドとは…2006年にマルタン&オリヴィエ・ブイグ兄弟がシャトーを購入した際に、オー・ブリオンの元支配人のジャン・ベルナール・デルマス氏の推薦で購入したシャトー。現在は、シャトー・モンローズと同様にブイググループのマルタン&オリヴィエ・ブイグ兄弟がオーナーとなっています。サン・テステフで最も古いシャトーの一つとして知られ、サン・テステフの中でも一番標高が高い場所に位置しています。
ちなみに…ブルゴーニュのドメーヌ・アンリ・ルブルソーも2018年からブイグファミリーの資本が入り共同オーナーとなっています。
ラ・ダム・ド・モンローズとは…「モンローズの貴婦人」と名付けられたシャトー・モンローズのセカンドワイン。1986年からリリースされており、1944年から1960年までシャトーの経営を一手に担っていたイヴォンヌ・シャルモリュー女史へのオマージュとして名づけられました。シャトー・モンローズが所有する区画の中でも「テラス3」と呼ばれる内陸にある場所のメルロを主体に造られます。
感想
僭越ながら…個人的に好印象だった1本を発表させていただきます!!
ラ・ダム・ド・モンローズ[2019]です!!残念ながら、現在は2020年にヴィンテージが変更して販売しておりますが、個人的にはこの2本が僅差でした♪
ラ・ダム・ド・モンローズは1stのモンローズに比べて、メルロの比率が高いのも特徴です。約半分はメルロの為、口当たりも柔らかくタンニンも滑らか、2ndワインと言うだけあり飲み頃を早めに迎えるのもフレンドリーなところですね♪今飲んでも美味しく、2020年に関してはグレートヴィンテージというのもあり熟成のポテンシャルも非常に高いと言えると思います。
そして、価格が高騰するグラン・ヴァンの中でも比較的に良心的な値段のシャトー・モンローズだけあって、2ndワインのラ・ダム・ド・モンローズは非常に満足感の高いワインと言えます!!少し特別な日のワインや、こちらも「rose(薔薇)」というネーミングが使われているので贈答用にもおススメですね♪
さいごに…
ヴィンテージに左右されないことでも定評のあるシャトー・モンローズですが、その理由を十分に垣間見えることができました。現在は、格付けシャトーでは当たり前ですが、区画の細分化。シャトー・モンローズでは95ha115区画を26エリアに分けて管理。タンクも増設し115区画から収穫されるブドウを92個のステンレスタンクで保管できることで区画ごとのキュヴェを管理しているようです。
また収穫も代々、スペインから収穫をするスペシャリストを招くことで収穫時期を特定区画に絞り、的確に短期間で収穫することブドウの品質を確保していました。ここら辺は流石の資本力かなと感心しました…
体験談として、昨年末たまたまシャトー・モンローズの「2012年」を飲む機会がありました。世間的には2012年はオフヴィンテージの方に入りますが、メルロの栽培に長けているシャトー・モンローズでは栽培が上手くいったメルロの比率を高めることでワインのバランスを保つことに成功しており、10年以上経った2023年でも美味しくいただくことが出来ました♪
1855年の格付で2級を獲得したから所有している「テラス3」で作られるカベルネ・ソーヴィニョンを主体としたシャトー・モンローズ。1stの中でも71%のカベルネ・ソーヴィニョンを主体として造られ、ワインアドヴォケイト誌で100点を獲得した2020年は絶賛販売中です!!今後も価格は上がりますので、今のうちにセラーに1本、贈答を考えている方にも特別なプレゼントに是非お勧めです♪