Shinanoya food & liquor

ウィスキー・ハードリカー・ワイン・こだわりの食品の情報をお届けします。

ワイナリー訪問記-フランス出張編part②-@ネット店 升田-

2022.12.09

今回のブログ担当者は…?

先週に続きネット店升田でございます今回も信濃屋としても3年ぶりの『フランス出張』に行ってきた様子をご紹介します♪是非、先週のブログも合わせて読んでください。ワインのご用意はできましたでしょうか??全部を紹介すると長くなってしまうので、3件に絞ってなるべく要点をまとめて書き上げたいと思います。それでは今日もお付き合いください(笑)

シャンパーニュ地方

〜若手コンクールで金賞受賞の大注目の生産者〜

シャンパーニュの若手コンクールでブレンド部門で金賞を受賞した3代目のマチュー氏

この日も早朝から車で出発です。ボーヌから目的地であるシャンパーニュ地方ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区まではおよそ3時間強かかりました…途中途中でフランスのワインショップを見学したりもしましたが無事に到着です♪訪れたのはフランス国内でも注目を集める若き生産者『ファニエル・エ・フィス』

こちらが現当主のマチュー氏。とても身長が高くフレンドリーでナイスガイでした(笑)お話の中で同国フランスのマルセイユに生まれ、世界最優秀ソムリエを獲得したフォール=ブラック氏と交流があるようで彼が運営するビストロでマチュー氏のシャンパーニュは使われているようです!!

世界一のソムリエが認めたシャンパーニュがこの価格で楽しめるなんて…その極上のシャンパーニュが如何にして造られるのかを丁寧に教えてくれました。

写真① 少しぶれてますが…その大きさが伝わる圧搾機
ラトゥールの古樽を使用して熟成

シャンパーニュ地方ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区シャンパーニュ地方のど真ん中にあるため、主要品種であるピノ・ノワール/シャルドネ/ピノ・ムニエがバランスよく栽培できるので、必然ブレンドを選択してシャンパーニュを造っているそうです。

写真①が4000キロを潰すことができる大きな圧搾機。コカール(Coquard) というメーカーのもので業界内では『圧搾機のロールスロイス』と呼ばれいます!!何にでもロールスロイスはいるなと思いました(笑)この圧搾機の特徴はその大きさとゆっくりプレスを行えること。通常2時間で行うプレスを倍の4時間かけてゆっくり優しくプレスすることで雑味のないピュアなジュースが獲得できる利点があります。彼が造るシャンパーニュのピュアな果実味を裏付ける証拠を垣間見ました。

写真②が樽熟成の様子です。マチュー氏は昔、フランス全土で勉強をしていた際にシャトー・ラトゥールでも醸造哲学を学んでおりました。そのご縁もあり、今もラトゥールで使用した古樽を購入して使用しています。弊社は購入しておりませんが、シャンパーニュ地方で造られる非発泡性ワイン、コトー・シャンプノワや酒精強化のラタフィアも実際は造っています。

現在も手作業で動瓶(ルミアージュ)をおこなっております
テイスティングルームの様子

地下カーヴは350年前から使われているものを改築しながら使っておりました。350年前のカーヴの中に入れるのもフランスならではの体験だと思いました。日本で言うと江戸時代前期なので…そこからも歴史的な場所にいる喜びを感じることが出来ました。現在、動瓶(ルミアージュ)はジャイロパレットと呼ばれる全自動式が大手メゾンの主流の中、マチュー氏が造るのは今も一部は手作業で行っています。写真ではカメラの光を入れてますが、光が無いと怖くて歩けない程暗かったです。その分、温度・湿度・光の遮断・振動などはなく保管場所としては完璧でした。

最後は彼のラインナップを並行試飲させていただきました。中でもフラッグシップ『セクレ・タンドレ』は年間をとおして試飲では2本しか開けないと断言しており、その内の1回は冒頭に話した世界最優秀ソムリエを獲得したフォール=ブラック氏との機会。そして、2本目は写真にあるように我々が来た時…ブラボー!!これ程までにおもてなしを受けると感動しました…そして、味も感動的に美味しいです。数量限定で入荷する機会がありますので、その際には是非飲んで頂きたい1本です。ちなみに今は全店で完売しております…次はメルキュレイの生産者に行きます♪

ブルゴーニュ地方

〜近年、目を見張る品質向上を成し遂げた150年続く生産者〜

6代目当主 ロマン・ピヨ氏 カーヴになっているテイスティングルーム

ここはコート・シャロネーズ地区のアペラシオンにある1つメルキュレイです。コート・シャロネーズの中ではブーズロンリュリーといった白ワインが有名な産地もあれば、メルキュレイは赤白両方とも上質なワインを造っている産地です。グラン・クリュこそありませんが、プルミエ・クリュからはとても素晴らしい赤ワインが生産されています。そのメルキュレイの地で150年前からブドウ造りを営むピヨ家。名前の発音(ピヨ)が可愛らしいですよね♪言いたくなりますし、覚えやすくいて素敵です!!6代目当主 ロマン・ピヨ氏は元銀行員。銀行員時代に投資の話で様々な生産者と出会いワイン造りに回帰したようです。

余談ですが、ワイン造りも後継者問題はあるようです…素晴らしい伝統が世代交代と共に失われてしまわないことを祈るのみです。幸いピヨ家は世代交代が無事に成されましたが、お話を聞いた別の生産者の方は世代交代の際に、ワイン造りに興味がない後継者は畑を売ってしまうこともあるのだと伺いました…

ドメーヌ・ピヨのラインナップ
アン・ザスネーのブドウ畑

現在、信濃屋で販売している2021年のおススメ料理をお伺いしました♪2021年は非常にエレガントな造りが出来たので素材を活かした料理との相性は抜群だと仰っておりました。個人的なイメージは…刺身も良いですね。エレガントで酸味があるので、醤油との相性は抜群でしょう。また、お肉は牛はもちろんですが、鴨肉と是非合わせて頂きたいですね♪『鴨肉スモーク×ドメーヌ・ピヨ  ブルゴーニュ・ルージュ [2021]』があれば気分はフランスです(笑)

車で5分ほどでブドウ畑に行くことが出来ます。これぞブルゴーニュと言う眼下一面に広がるブドウ畑は圧巻の一言です。品質向上の要因の一つに低収量を挙げておりました。今は量より質を求める時代なので、低収量で質を上げて上質なワインに仕上げているようです。このアン・ザスネーの畑には樹齢60年を超える樹もあり、とても上質なワインが造られます。次が最後です♪いざシャブリへ…

ラベルにもなっているピヨ家の門の前で‥‥

シャブリ地方

〜信濃屋で10年以上販売している優良生産者〜

7代続く歴史あるドメーヌ 現オーナー・アランの息子エイドリアン氏

こちらは信濃屋をご存知の方であれば知らない方はいないはず…(笑)信濃屋とはもう10年以上のお付き合いになる『ドメーヌ・ラウル・ゴートラン』。信濃屋では白ワイン売上部門10年以上売上NO.1銘柄を造り続けてくれている7代続く歴史ある家族経営の蔵元です。その歴史は全シャブリ生産者の中でも10本の指に入るほどの非常に歴史のある作り手です。今や国内にとどまらず、アメリカや中国など世界各国に輸出を行っており、新規の取引を断るほどに引く手数多の生産者に成長しました。弊社とは長い付き合いになるので、毎年最優先に生産量を確保してくれています。有難い限りです…

タマゴ型のコンクリートタンク
貯蔵庫には貴重なバックヴィンテージも…

2018年には醸造施設を一新。伝統的なブドウ造りに近代の技術を融合させて、品質が更に向上しております。弊社のバイヤー達は昔からの付き合いがあるだけに、行く度に設備が大きく変貌を遂げていることに驚かされているようでした(笑)もちろんエイドリアン氏の成長も親戚に近い感覚で見ている印象を覚えました。シャブリの伝統を守りながらも若きリーダーであるエイドリアン氏がいることで、海外への出荷増や技術の進化などに余念がないのだと感心させられました。今は原酒が少ないのでネゴシアン業も行っているというから驚きです!!現在、シャブリは生産量の減少と海外需要の高騰から価格は高騰傾向です。その中においても良心的な価格設定をしてくれているのは正しく信濃屋とゴートラン家のパートナーシップの信頼の証なのです。まだ『ドメーヌ・ラウル・ゴートラン』シャブリを飲んだことはない方がいましたら是非お試しいただきたいです。

所有者の少ない特級畑グルヌイユも所有しています

特級畑「グルヌイユ」(協同組合以外はわずか5人しか所有者がいない)には霜害を防ぐために電気で熱を与えて凍結により被害を防ぐ対策を施していました。ブルゴーニュでは春の霜害は大きな問題で取り上げれていますが、しっかりと対策を施しておりました。一般的には焚火をしたり送風機を設置したりが一般的ですが、ここにも設備投資をしているのには脱帽です…考えてみて下さい。全く何もないブドウ畑の真ん中に電気を通すことのコストと労力…こういった取り組みが報われて、全くワインが出来ない生産者がいる中でも、ゴートランシャブリは造ることが出来るのです。11月の時期では、他の生産者のブドウ樹は葉が落ちる中、彼らの畑はまだしっかりと葉を付けておりました♪

このような設備投資を行いながらもお客様に良心的な価格で品質の高いワインを届けてくれる『ドメーヌ・ラウル・ゴートラン』を目の当たりにして好きにならずにはいられませんでした(笑)

最後に…

駆け足で弊社が自社輸入している3生産者をご紹介させていただきました♪全部を紹介すると毎週更新したとしても、2ヶ月は私が延々と語るだけなので…(笑)これでも頑張って割愛したつもりです。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。少し長かったかもしれませんが、ワインのお供になっていてくれていれば嬉しく思います♪今回のフランス出張で特に感じたことは、信濃屋と生産者の関係性です。言い換えればこの長い歴史と良質な関係は『生産者とお客様』に他ならない事は紛れもない事実だとも思います。世代は変われど我々と生産者の絆に何も変化はありませんでした。

今までの信濃屋の軌跡を感じましたし、これを継承していくことの重要性を感じることができる貴重な体験でした。信濃屋が皆様と生産者の橋渡しをしているだけで、出来ることであれば来年以降は順番に弊社が自社輸入をしている生産者を招いて、信濃屋をご利用頂いているお客様と直接出会う機会を創る事。これが出来たときは信濃屋の存在意義と言うものがまた高まるのではないかと個人的に思います。

人生の中でも5指に入る素晴らしい体験をできたことに感謝をしてこれからもワインの魅力を発信していきたいと思います♪それでは、また次回をお楽しみに…

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